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毎日スパイスの事について
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なんにでも使えるチリを知る事でスパイスのハードルを下げよう

はいどうも、カリーチャクラです!
今回のテーマはチリです。チリで通じるかな?もっとわかりやすく言えば唐辛子のことですな。
あ~唐辛子って言われたら知ってるわ~。という方も多いと思います。というか唐辛子知らない人いないんじゃない?ってくらい有名なスパイスですよね。

さてそんな超有名スパイスチリなんですが、メジャーだからこそ情報が多すぎてわけわかんなくなっちゃっているという事もあるかと思います。
今回はそんなチリについてざっくりとですがまとめていきたいと思います。
もちろんまとめるだけではなく香りや味の確認。どんな料理に使えば良いのかという事まで説明していきます。

チリは知っているし使ってもいるけどなんとなく使っていたな~という方には是非読んで頂きたいですね。

お伝えするのはいつもの私。仕事に疲れてサラリーマン退職から30代に飲食店での独立、現在南インド料理を作る現役料理人CHAKRA店主のヒロシです。それでは始めましょう~ Let’s Spice!



■まずはチリって何かを知ろう

チリって一言で言ってもなかなか定義が広いのでちょっとだけ整理しますね。
チリとはナス科トウガラシ属の植物でピーマンとかシシトウなんて全然辛くない物まで一緒くたにされていますね。この辺まで全部一緒にされるとちょっとうちの趣旨とは違ってくるので今回は辛いチリを大前提に説明をして行こうかと思います。

ちなみに辛い物が苦手な方に「青唐辛子の代わりにシシトウ入れてね~青臭さは再現できます」なんて書いたりするのはこういう理由からですね。

さて起源はと言いますと原産は中央アメリカや南アメリカおよび西インド諸島とされています。メキシコやインドって言われたら納得できますな。
これをコロンブスがヨーロッパに持ち帰り、後々世界中で栽培されるようになります。現在では品種も増えてその数200種類以上とも言われています。形や大きさ、色も味も様々。

種類も多ければ加工のされ方も様々で、生のままもあれば乾燥させたものもある。生は冷凍もあれば水煮みたいなのもあって、乾燥のされたものはフレーク状にしたり糸状にしたり粉末にしたり。

種類が200で加工方法がこんなにあったらそりゃもう追い切れませんよね。まあそんだけ世界中で需要が高いという事の証拠なんでしょう。

 

■一言でチリって言ってもいろいろある

上で説明したようにチリには様々な種類があって、今回はうちで使っているチリについてのお話。

まずはフレッシュなチリに関してなのですが、うちで使っているのはハバネロ、ハラペーニョ、青唐辛子です。ハバネロとハラペーニョに関しては私が昔メキシコ料理を作っていた名残なだけでインドではほぼ使われてないので無視して良いです。
人が作らないもの作りたいぜ!って方は下にハラペーニョチャトニの作り方を張っておきます。

そしてメインの青唐辛子。青唐辛子はインドでもよく使われます。日本では唐辛子と言えば赤いですが、インドでは赤く熟す前の緑のものをよく使います。
ちなみにこの青い唐辛子は福岡でもよく使われていて、いまでは全国区になったのかな?柚子胡椒の原材料こしょうとして売られています。唐辛子をこしょうと呼ぶのは諸説あるみたいですが、かの大航海時代にも唐辛子の事を胡椒と呼んだりしています。カイエンペッパーって唐辛子の事ですが名前にはペッパーが使われていますよね?

フレッシュな青唐辛子は夏場に市場に出回ります。うちの店ではこの時期に買いだめをして1年分冷凍保存しています。

 

続きましてうちで使っている乾燥チリの話。
うちで扱っているのはホール(唐辛子の原型)とパウダー。後はコルサっていう粗びき。コルサはマーボーパニールに入れる以外はほぼほぼ私のまかない用だな。うどんとか食べる時はブリブリ入れる。
なのでうちで使うのはほぼホールとパウダーの2種類です。
そしてちとややこしいのだけどパウダーにもいろいろあって、チリパウダーとカイエンペッパー。これ厳密に言うと品種が違うんです。カイエンペッパーは本来ちょっと小ぶりの唐辛子なんですが実際食べ比べても違いがよく分からないのレベルなので私の中では一緒の扱いです。これ生産業者も一緒にしてんじゃないかな~?なんて疑念も抱いています。

そしてこれもっとも注意をしなきゃいけないのが、チリパウダーって名称のミックススパイスがあるんです。テクスメクス(アメリカ南部の料理)でよく使われます。代表的なので言えばチリコンカンとかですね。このチリパウダーはオレガノとか入っているから全然別物です。
チリの粉末がチリパウダーでテクスメクスで使うミックススパイスもチリパウダー。名前が一緒なんで唐辛子のパウダー買うつもりがミックススパイスのチリパウダーだったなんてこれ結構よくある話。購入の際には間違えないように成分表示をちゃんと確認するかカイエンペッパーを選ぶかしましょう。
っつーかどっちか名前変えろよな~。

 

■チリってどんな香り?どんな味?

まずは香りです。
ちょっと表現しにくいのですが乾物の香りとでも言うのでしょうか。豆を乾煎りしたような乾いた香りですね。そこにほのかに甘さが入ってくる感じです。まあでもこの辺は他の香りに邪魔される事により普段感じないだけで、乾燥させたスパイスが全てまとっている物かもですね。
敢えて言えばパプリカの香りに似ているのですがパプリカよりは香りを感じにくいです。要は乾燥させた香りがするだけで、チリとしての香りの主張は少ないという事だと思います。
まあただ香りを確かめる上での注意点です。ずっと嗅いでいると鼻の中がチクチクもぞもぞしてきます。粘膜がやられている証拠でしょう。それでも香りの確認をしたければホールの方が香り高くて分かりやすいです。パウダーは香りが分かりにくい上に粉末が鼻に入って無駄に粘膜をやられるだけです。

続いて味です。ちょっと怖いですが恒例のそのままパクリです。
こちらも香りと同様乾燥した豆を思わせるような若干の甘味。なのですが~。すぐにそれらを吹き飛ばす辛さが来ます。味なんかまったく分からなくなる辛みに襲われて終わりです。まあ想像通りですが。

辛みは品種によって全然違います。スコビルという単位で表されるようですが、一般的にはあまり知れ渡っていないようです。
お店をやっているとお宅はどの位辛いですか?ってよく聞かれるのですがこの質問は本当に困ります。人によって辛さの単位が違うので答えようがないです。うちはだいたい5000スコビルくらいです!って答えてもぽか~んとされるだけです。
このスコビルは種と筋に多く含まれる事もあり、取り除くと辛さを和らげることが出来ます。まあ気持ちの問題程度かなとは思いますが。

あと一つ注意点を。
辛さは品種によって様々ですし、仕入れのロットによっても様々。レシピ通りだから~ってうのみにしているとたまにとんでもない辛い物に当たったりするので注意が必要です。今回のロットはこの位だな~ってなんとなくあたりをつけて加減された方が良いかと思います。

 

■身体にいい事あるのかな?

チリに含まれるカプサイシンが体温の上昇、発汗、胃腸に刺激を与えることで消化促進の効果がありますね。
カプサイシン以外にもビタミンCが豊富で炭水化物の消化を助ける働きがあるとも言われます。
やはりどちらも消化促進という事でしょう。夏場に食欲がおちている時に辛い物を欲するのでこの辺はうなずけます。
消化促進の結果痩せるとも言われているがこっちはどうでしょう?辛いもの好きのデブはよく見かけるから信憑性は低いかな~。

後は強壮剤としても使われているみたいですね。
食欲がない時や疲れている時の元気のもとって事ですね。

良い事ばかりじゃん~って思って摂取のしすぎには注意。
皆さん経験があると思うのですが辛い物食べ過ぎると胃や腸がキリキリしたりしますよね。あれって内臓が炎症を起こしている証拠ですからね。次の日のウ○コでお尻が痛い~とかって楽しそうに話していますがあれも炎症です。
何事もやりすぎはダメですよ。適量適量。

 

■どんな料理に使うの?

まあこれはもう皆さん既に使われているのでご存じでしょうが料理への汎用性は高いです。
私なんか一味(チリコルサ)はなんにでもかけますし、一味はなくても七味(チリ入り複合スパイス)は使った事があるって方も多いかと思います。ホールの状態でもペペロンチーノとかピクルス漬けたりとか言い始めたらキリがないです。
味の主張が少ないのでなんにでも入れてOKって事でしょう。さすがにデザート系には入れませんが辛い料理には大体入っていますね。

私はミールス専門店やっているくせにインドには行った事ないですが、なぜかメキシコで料理を学んだことが有ります。現地でいろいろな料理を食べたのですが、その時の唐辛子の種類の多さにはびっくりしたものです。
市場に行くと様々な種類のチリが並んでいて、チリの種類によってサルサ(ソース)の味を変えているという感じがしました。フランス料理が沢山のソースを作るでしょ?あれと同じような感覚でいろんなチリで違う味のサルサ(ソース)を作っているという事ですね。
チリの使い分けに関してはインドよりもメキシコの方が2~3歩先を行っている気がします。

 

■あなたも立派なスパイスマスター【まとめに変えて】

今回は皆さんになじみのあるスパイス、チリについて書いてきました。
スパイスってなんだかハードルが高いな~なんて思われている方も多いかと思いますが、一味をかける時にいちいち測ったりしないですよね?こんくらいかな~なんて感覚で使われていると思います。
一味もチリという立派なスパイスです。という事は皆さんもう目分量でスパイスを使っているという事にもなります。

こう考えるとスパイスは身近に感じられます。他にも胡椒だったりワサビなんてのも立派なスパイスです。後は使った事のないスパイスもこの感覚に持って行く(慣れる)だけなんです。
スパイス料理って簡単だと思いません?今回の記事が皆さんのスパイスのハードルを下げるお手伝いが出来たらいいな~と思います。

 

■今回使ったスパイス

 

 

 

皆様の健康のためご家庭にもっともっとスパイスを

チャクラ 小川

 

 

 

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