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クセが有るからクセになるフェンネル【使い切れない人はこれを作ろう】

はいどうも、カリーチャクラです!今回のテーマはフェンネルです。

フェンネルは葉の部分がハーブ、種の部分はスパイスとして多くのスーパーなどで扱われているのでご存じの方も多いかと思います。
ただ、見かけるだけで使った事が無い。または使ってみたけどなんか変な香りがしたのでそれ以来遠のいている。などと思われている方も多いのではないでしょうか?

私も今でこそフェンネル大好きカレー屋ですが、扱いに慣れるまではフェンネルって香りが独特で使い勝手の難しいなんじゃこらスパイスだな~と思っていました。

今回はそんなフェンネルとはどんなスパイスなのか?という所から香りの特徴や薬効。はたまた私がどうやってこのスパイスを好きになって行ったのか?なんて事をお伝え出来たらと思います。

フェンネル一回試してみたかったんだよな~と思われていた方や、最近スパイス使いがマンネリ化してきたので新しいスパイスを探しているんだよね~なんて方には是非読んで頂ければと思います。

今回もそんな問題にお答えするのはいつもの私。仕事に疲れてサラリーマン退職から30代に飲食店での独立、現在南インド料理を作る現役料理人CHAKRA店主のヒロシです。それでは始めましょう~ Let’s Spice!



 

■興味はないかもだけどまずはフェンネルを知っとこう

原産地は南ヨーロッパで、現在では主にインド、フランス、イタリアなどで作られています。
植物自体2メートルにも成長する大きな植物で、葉、種、茎、根本まで食べられるとても素敵な食材。

葉はフィッシュハーブと言われるくらい魚との相性がよく、最近ではスーパーなどでもよく見かけますね。ディルなんかと見た目がほぼ一緒なので、名前が書いて無いと間違えるレベル。
ハーブとしてのフェンネルの葉は火が入ると香りが飛びやすいので最後に乗せるという使い方が多い。しかもその方が見た目が良いのでインスタ映えって事になる。見た目だけに踊らされている訳ではなく、ちゃんとハーブの性質をとらえて使用しているって事ですな。

茎の根本はコールラビに似たような形状で、なんて言われてもコールラビが分からんでしょうが、玉ねぎが変形して芽を出したようなそんな感じ。
うちの近所のボンラパスさんってスーパーには、昔コールラビとフェンネルが並べて置いてあったのだが最近は見かけなくなりコールラビだけになってしまった。珍しい食材を扱ってくれてありがたい限りなのだが、やはり売れないのか最近縮小気味ですな。私がいっぱい買うので頑張って仕入れて欲しい!

種は乾燥させてフェンネルってスパイスになる。
カレー屋として私たちがメインで使うのはこのスパイスとしてのフェンネルなので、以下はハーブや野菜ではなくこのスパイスとしてのフェンネルを書いていきます。

 

■フェンネルの香りや味

アニスそっくりの甘い香り。砕くと歯磨き粉のような香りが広がります。スターアニスの説明の時だったかな?パスティスってお酒の香りと言いましたが、フェンネルもまさにそれ。一緒。
でもね、香りはアニスに似ているクセに漢字で書くとウイキョウでヒメウイキョウ(キャラウェイ)に似ているっていう。名前はキャラウェイ寄りで香りはアニス寄り。もうややこしいったらありゃしない。

続きまして恒例のそのままパクリで味を確認。
香りに似て強くくせのある味。ハーブ系のス~っとした抜けを持った甘味。
香りからして相当甘そうなイメージがするが、思ったより甘味は少ない。そのせいかスッキリした印象。この辺がアニス系とは違う所。

 

■フェンネルって何に効くの?

効能の所でいつも書いてはいるのですが、私は薬剤師でも医師でもましてや栄養士の資格さえも持たないただのしがないスパイス好きなおっさんです。そんな私が言う事ですというのをふまえて、薬効を保証するものではございませんので悪しからずという前提。

まあそんな私の意見はという前に薬効は確かに認められています。
というのも皆さんご存じの胃薬にはフェンネルが使われており、成分表示に書いてあるウイキョウってのはこいつの事です。これはフェンネルに消化促進、殺菌作用があるという事からですね。

それと、語源がギリシャ語で細くするという意味があるという事からも、痩せる効果があるとされています。

あとは、薬効とは少し違うかもしれませんが口臭予防としても効果があります。
うちの店にもあるのですが、カラフルで小さなお菓子みたいなやつをカレー屋さんのレジ界隈で見た事ないですかね?あれはフェンネルを砂糖でコーティングしたもので、食後に食べると口臭予防と胃をスッキリさせる効果があります。
うちの娘がまだ小さいころ。お菓子と思って大量に食べておえ~ってなった経験があります。
なじみのない日本人にはちょいとクセが強いものですな。なんでもがっつくんじゃね~よって事ですね。

あとはまあ迷信的な話というか昔のスパイスあるあるですが。
サソリや蛇にかまれた時の治療にも使われたという所から転じて、魔力を持つ物として魔除けに使われたという話も。外から悪魔が安眠の邪魔をしないように鍵穴にフェンネルを詰めたって話なんですけど、そんな事したら本当のカギが使えなくなりますよね~。まああくまで余談。

 

■どんな料理に使うの?

フェンネルは消臭効果があるので魚肉との相性がよい。
上で書いたハーブもそうなんですが、スパイスとしても魚との相性は抜群です。実際私が魚料理を作る時にはほぼほぼ使っていますね。
肉料理で言えばローストポークやサラミの臭み消しにも使われています。

臭み消しって意味で魚肉だけ?っていう事ももちろんなくて、インドでは野菜料理にも使われています。野菜料理にフェンネルを使うとちょっとしたアクセントになって面白いです。下に簡単なレシピを載せておきます。

肉魚野菜なんでもOKって事は、もちろん炭水化物との相性もよいです。
イラクではニゲラと一緒にすりつぶしてパンに入れたりします。

フェンネルというスパイスは、クセのあるスパイスの割には汎用性が広い。そんな印象ですね。

 

■具体的に使ってみよう

小松菜のフェンネル炒め

(下処理)
・小松菜 1袋
→根を取り3㎝長さにカット

(テンパリング)
・サラダ油 小1
・マスタード 小1
・フェンネル 小1

(作り方)
・テンパリングを順に行う
・小松菜を入れて軽く火入れする
・塩一つまみで味を決めたら完成

 

フェンネルティーの作り方

・やかんに水1.5Lとフェンネルを10g入れ火にかける
・沸騰したら弱火にして10分煮出したら完成

煮出す事によってフェンネル独特の香りが抑えられ、飲みやすいスパイス茶となる。だったらフェンネルの意味なくね?なんて事は考えないようにしましょう。
フェンネルは乾煎りしてから煮出してもまた味が変わって面白い。ただ乾煎りすればするほどほうじ茶に近付いていくので程々で。

このフェンネルティー、お勧めする理由が美味しいからってのはホントの事なのですが、フェンネルを購入して使い切れない~なんて持て余している方にもこれおすすめだったりします。
スパイスへのハードルって実はこういう部分だったりするのかな~なんて思います。
買ったはいいけど買ったきっかけのレシピだけしか使えなくて、結局持て余してしまう。その思い出が有るから次に手が出し辛い。なんて負のスパイラル。これさえできれば余るなんて事はなくなります。

 

■フェンネルをまとめよう

本文中にも書いたようにフェンネルはクセのあるスパイスです。でもクセが有る中では入門編のスパイスかなとも思います。クローブとか八角とかヒングとかハードルの高いやつはもっともっとありますから~。
そんなフェンネルはちょっと冒険してみたいな~と思われている方にも丁度良いスパイスですね。
いわゆるスタンダードなクミンとかコリアンダーとかに飽きて来たな~という方が、何か新しいスパイスに挑戦したいという時にピッタリかと思います。ちょいとクセが有るので今までと雰囲気が変わってスパイスの幅は広がると思います。そしてクセが有るからこそ使いこなせた時の充実感は高いですからね。

クセが怖いな~という方も最悪フェンネルティーにすりゃ何とでもなります。私は過去新しいスパイスに挑戦する時にはなんでもこれで乗り切ってきました。まあ案ずるよりは挑戦する事ですな。

今回はフェンネルについて書いてきました。この記事をきっかけにフェンネルについて少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。

 

■今回使ったスパイス

 

 

 

皆様の健康のためご家庭にもっともっとスパイスを

チャクラ 小川

 

 

 

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  1. 2022年 8月 24日