ミールスやティファンには欠かせないサンバルの作り方【店のレシピ付き】
はいどうも、カリーチャクラです!今回のテーマは【実践料理編】サンバルです。
当店は南インド料理ミールスの専門店なのですが、そのミールスに含まれるメイン的な物の一つがこのサンバルです。ミールスの中では決して派手な料理ではないですが、だからこそ店のレベルが問われるそんな料理ですね。
今回の記事では、サンバルとはいったい何?という所から、うちの店のレシピでの作り方、さらにおうちで再現できるようなコツまでをお伝えしようと思います。
今までサンバルを作ってはみたけどいまいち美味しく出来なかったのでちゃんと作り方を知りたいという方から、ミールスに興味を持って初めてサンバルを作ってみたいという方まで、皆様に分かりやすくお伝えしますのでこれを機会にサンバルに是非挑戦されてみて下さい。
今回もお答えするのはいつもの私。仕事に疲れてサラリーマン退職から30代に飲食店での独立、現在南インド料理を作る現役料理人CHAKRA店主のヒロシです。それでは始めましょう~ Let’s Spice!
目次
■サンバルってのはいったい何?
サンバルを作る前にまずはサンバルについての説明をしようと思います。
まずここでのサンバルと言うのは、インドの【sambar】を指します。インドネシア料理やマレー料理に【sambal】という辛いソースのようなものがあるのですがこれとは全く異なります。スペルも一文字違いで日本人の発音からしたら同じサンバルなので混同されがちですよね。国も近いですし・・・。
ややこしさは半端ないですが、ここからの説明はインドのサンバルの事ですのでお間違いなく。
サンバルは南インドのミールスに含まれる、日本でいう所の味噌汁のような存在とよく表現されます。日常食で具材が多岐に渡るという意味では確かに味噌汁なのかもしれません。
ただ、味噌汁で言う所の【味噌】がサンバルで言う所の【サンバルパウダー】に当たるのですが、日本人で味噌を手作りしている人はまあ少ないとは思いますが、インドではお店はもちろん各家庭にまで秘伝のサンバルレシピが有ったりします。もちろんスパイスメーカー市販のサンバルパウダーもあります。
当然うちにもサンバルパウダーのレシピがあるのですが、こちらは全然秘伝なんかではなくて大公開していますので後ほど下に書きますね。
では改めてサンバルの定義です。
豆を煮溶かしたものにサンバルパウダーと野菜を入れて煮込んだもの。これをうちではサンバルとしています。
他店ではタマリンドを入れろとか砂糖を入れろとか各々主張は有ると思いますが、そんなこっちゃ~知りません。こだわりなんていらないサンバルは自由なものだというのが当店での考えです。
■サンバルだけでは物足りない???
サンバルがどんなものかなんとなくつかんで頂いたところで、どのようにして食べられているのかを紹介しようと思います。
サンバルは南インドでよく食べられます。ミールスやティファンの中にはほぼ必須という感じで含まれていますね。
ミールスって何?という方には別の記事にまとめていますので、以下の記事を参照頂ければと思います。
はいどうも、カリーチャクラです! 今回はミールスについてです。うちはミールス専門店なので、そもそも論って事になりますわな。でもこれいまだに知名度が低いのは否めない・・・まあそれを広めようってのは確かに私の仕事の一部だったりはする。 でもさ~。うちに食べに来てミールスって何ですか?みたいな...
ティファンというのは軽食という意味で、豆やコメなどで作ったイドゥリやワダ、チャトニなどと合わせる食事という事です。ちょっと分かりにくい言葉を使ってしまいましたが、サンバルは軽食に添えられるものという認識を持って頂ければOKです。
さてそんなサンバル。上記のようにいろいろなものと合わせて食べられる事が多く、サンバルのみを単品で食べられる事はほぼないですね。
まれにサンバルとライスだけって事もあるかもしれませんが、なんかこう貧乏学生時代を思い出しちゃいます。ご飯とふりかけだけで生活していたな~なんて。
そんなノスタルジーを感じたい方はぜひどうぞなのですが、一般的にはおすすめしません。
つまりサンバル一つでは食事は成り立たないという事です。食事として成り立たせようと思ったら、ラッサムやチャトニみたいに他の料理を用意しなければならない。
このひと手間ふた手間多い感じが、南インド料理が日本でいまいち広まらない理由かもしれないですね。
しかしその反面、ラッサムやチャトニと合わさった時のサンバルのおいしさは飛躍します。ぜひ作って体感していただきたいですね。
■サンバルパウダーの作り方
サンバルを作るにはまずサンバルパウダーというものが必要になります。
上にも書きましたが、秘伝のサンバルパウダーってやつですね。うちの秘伝ではないサンバルパウダーの作り方を以下に載せておきます。
市販の出来合いサンバルパウダーが各メーカーより出ていますので、そちらを使用して頂いてももちろん構いません。でもせっかくの機会なので一度は作ってみましょうよ。
使用するスパイスなど
=ホールスパイス=
・コリアンダー 120g
・ツールダル 50g
・チャナダル 80g
・ウラドダル 50g
・クミン 5g
・メティ 10g
・マスタード 8g
・ブラックペッパー 5g
・乾燥カレーリーフ 3g
・チリ 10g
・バスマティライス 70g
=パウダースパイス=
・ターメリック 大1
・ヒング 大1
サンバルパウダーの作り方
・ホールスパイスを全て乾煎りして、粗熱が取れたらミルで細かく砕く
・パウダースパイスと合わせたら完成
■いよいよサンバルの作り方です
使用する食材やスパイス
=豆のベース=
・ツーアダル 1カップ
・水 2L
=食材や具材=
・なす 1本(九州のナスはデカいです。関東のナスなら2本)
・玉ねぎ 1玉
・冬瓜 1/8サイズ
・パプリカ 1個
・オクラ 1袋
・塩 大1/2
=パウダースパイス=
・ターメリック 小1
・サンバルパウダー 大2
=テンパリング用スパイス=
・サラダ油 大3
・マスタードシード 小1
・ウラドダル 小1
・チャナダル 小1
・チリ 1本
・カレーリーフ 1枝
・ヒング 小1
サンバルの作り方
・サンバルパウダーを作る(上記)
・ツーアダルを圧力鍋で形の無くなるまで煮る
・野菜を適当な大きさにカット
・カットした野菜を入れ沸騰させる
・パウダースパイスと塩を入れて味を確認
・テンパリングをして完成
店の味を完全再現するコツを教えます【店主が言うのだから間違いない】
まずはベースとなる豆を煮ていきます。
ここで使うのはツーアダルです。日本名ですと樹豆(キマメ)ですね。豆の種類に関してはいろいろあるのですが、いろいろ試した結果、今の所うちの店ではツーアダルを使っています。
まずはこのツーアダル1カップを軽く洗いゴミを取り除きます。
その後2Lの水と圧力鍋に入れて(フタをせずに)火にかけ、沸騰したら軽くアクを取ります。
アクを取ったらフタをして圧をかけていきます。圧がかかったら弱火にして15分です。
15分火入れをしたら、圧力鍋の温度が下がるまでそのまま放置します。
温度が下がって圧が抜けたらハンドミキサーなどで粒が残らないように攪拌します。
圧力鍋の温度が下がるのを待っている間に具材となる野菜をカットしていきましょう。
大きさは基本均一になるように心がけています。まあただ硬い物は小さめにしたり、煮溶けてしまいそうなものは最後に入れたりなどの工夫はしていますね。具体的に言うと人参などは小さめで、オクラや葉物は食べる前に入れるという感じです。
野菜の種類は今回作ったレシピは上に書いてある通りなのですが、内容に関してはなんでもいいです。今は夏前ですので上記のような野菜になったのですが、冬場だとカブやカボチャや人参なんかが美味しいですね。
後これは完全なる個人的な見解ですが、大根とキノコは合わない気がします。サンバルの香りと相殺されるというか、浸食されていくような気がします。まあこれはあくまで個人の見解ですので参考程度にされておいて下さい。
野菜のカットが終わったら豆を煮溶かしたベースに入れて、野菜に火入れをします。
野菜に火が入ったらパウダースパイスを入れよく混ぜます。サンバルパウダーはダマになりやすいので気を付けて混ぜて下さい。
次に塩分の決め方なのですが、上記の量(大1/2)で試されてみてどうでしょう?多いと感じられる方もまれにおられるとは思いますが、少ないと思われる方の方が多いのではないかと思います。
ただこれ単品で味わうものでなくラッサムやチャトニのような塩分の強い物と合わせた時のバランスを考えての事です。
上記【サンバルだけでは物足りない???】で書いたように、サンバルと御飯だけではなんじゃこれ?になってしまいます。サンバルの塩分をその他の料理でまかなう。ラッサムやチャトニと合わせる事で味が引き立てられるというイメージでサンバルの塩分を決めれるようになると料理の奥行きが広がります。
最後にテンパリングをして上からかけたら完成です。
テンパリングはよく出る技術ですので別のページにまとめています。詳しく知りたい方は下のリンクを参照されて下さい。ただ一言コツは焦がさない事。これだけです。
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■サンバルについてのまとめ
今回はサンバルの作り方についてまとめてみました。初めての方でも作りやすいように詳しく説明をしていますので、是非挑戦されてみて下さい。
サンバルの唯一難しい所は塩分バランスだと思います。サンバルは単品で満足するものではなく、塩分の強い物と合わせるといいという事を念頭に置いて頂ければと思います。
参考までに簡単に作れるサンバルにあう副菜レシピを載せておきます。
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チャクラ 小川
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