Blog

毎日スパイスの事について
少しずつ

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 一人カレー研究会
  4. インドのシナモンカシアについて語る【スパイスティーもおすすめ】

インドのシナモンカシアについて語る【スパイスティーもおすすめ】

はいどうも、カリーチャクラです!今回のテーマはカシアです。
カシアと言われてもピンと来ないかもしれませんが、カシアはインドなどで使われているシナモンの事です。
日本でシナモンと言えば薄くてクルクルしているおしゃれシナモンなのですが、今回紹介するのはその想像とは全然違うゴッツくて粗野な感じのシナモンです。
インド料理をやっていなければ出会わなかったであろうそんなシナモンについて、現役料理人のチャクラ店主が語ります。それでは始めましょう~ Let’s Spice!



 

■カシアってどんなスパイス?

まずは上でも出てきましたがカシアとかシナモンとかって言葉、これらはどう違うの?という所からスタートします。
カシアもシナモンも同じクスノキ科ニッケイ属の常緑樹であり、品種だけが異なる言うたら親戚のようなもの。しかも日本名だと両方ともニッケイとかニッケって言われ、区別すらされていない。
日本では区別されてないけど、見た目も香りも違うのでうちでは違うものとして扱っています。二つのシナモンをわざとらしく並べて、うちはこだわってシナモンを使い分けています!なんて偉そうに言えばそれなりのカレー屋っぽくもみられますし。

そんなカシアとシナモンなのですが、どこがどう違うのかと言いますとまずは学名上から違う訳で、カシアはCinnamomum cassiaでシナモンはCinnamomum verumとなります。

シナモンはスリランカのセイロンで多く作られ、薄い木の皮でクルクル巻いてあり香りも洗礼された感じ。ちょっとしゃれこいたお店で紅茶をオーダーすると、銀紙が巻かれて出てくるやつ。あれがシナモンで私は【セイロンシナモン】とか単に【シナモン】と呼ぶことにしている。現在日本で流通しているものの多くはこのシナモンであり、皆さんのイメージにあるシナモンはこれ。

一方のカシアはスリランカ以外でも多く作られ、硬くてごつごつした感じで香りも強い。香りが強い分味も大味で粗野な感じだが、カレーなんかの煮込みには適している。こちらをうちの店では【カシア】とか【インドシナモン】と呼んでいる。と言っても最近ではインド以外の物が輸入されるようになってきたので、今後は単に【カシア】と呼ぶことに統一しようかなと思っている。

さあそしてここからもう一つ話がややこしくなっていくのだが、日本にはニッケという木があって実はうちの実家にも生えている。
家にシナモンの木が生えているの?って最初はびっくりしたものだが、これ実は日本にセイロンシナモンが一般的に流通する前までは結構多く栽培されていたらしいです。昔の人ならご存じでしょうが、得体のしれない色を付けられたニッキ水なるものがあったのですが、それの原料としてですね。
通常のシナモンは樹皮を使うのですが、うちの母曰く根っこを使うんだと言っていた。これを聞いた時にはいよいよボケたかと思ったものだが、今回この記事を書くにあたり調べたらどうやら本当の事らしい。ろくに調べもせずボケているのは私の方だった。
そしてこのニッケの木を観察していて気がついたのだが、葉っぱがインドベイリーフ(テージパッタ)の葉っぱと全く同じだったのにはびっくり。今までわざわざインドから買っていたのにこんなに身近にあったとは。しかもフレッシュなものが・・・。

とまあ日本にセイロンシナモンが入ってくる前からカシアの親戚は日本にいたって事ですね。それを日本にはカシアが無いと思い込み、本場の味を再現したくカシアを輸入した後に国産カシアの存在に気がつく。灯台下暗しとはまさにこの事。

 

■カシアってどんな香りや味がするの?

カシアの香りは甘く、すっと抜ける感じですね。おしゃれシナモンよりも香りは強いですが、その分香りは雑な感じというのですかね?そんな感じです。
繊細さはないですが、香りが強い分煮込んだり漬け込んだりして香りを移す料理には向きます。ビリヤニなんかではすごく分かりやすいのですが、ライスの周りだけカシアの香りが濃く出てこれがたまらなくいい香り。ビリヤニの中にカシアを見つけた人はラッキーと言えます。

味に関してなのですが、今回はさすがにそのままパクリとはいけなかったです。歯が折れます。
パウダーをペロリとしたのですが、甘いですね。リコリスは後から来る甘さなのですが、カシアは最初に来る甘さです。甘味以外には、樹皮感がありますね。まあ樹皮ですからね。

そのままの味を知りたいという方は、パウダーをなめるよりもスパイス茶として飲まれる方が分かりやすいと思います。作り方は下に書きますね。

 

■なにに効くんだろう?

シナモンに多く含まれる桂皮アルデヒドは抗菌抗ウイルス作用があります。風邪や消化不良の漢方薬としても使われています。漢方薬の裏側を見て桂皮とあればカシアの事です。
また利尿作用がある事により、お腹の張りやむくみの改善に効果があるとされています。
その他強壮剤として使われたり用途は様々ですね。

なんでもそうなのですが、これに効くの?と言って過剰な接種はよくありません。少しずつ継続が大事ですね。

 

■どんな料理に使えばいいの?

では次にカシアはどんな料理に向くかという事なんですが、しっかりと火入れする料理に向いています。シナモンと違い味がしっかりしているので、繊細な香り付けというより全体に香りを付けるイメージですね。ですからデザート系ではなく料理系、塩分との相性も良いです。

具体的にはテンパリングとして油に香りを移したり、ビリヤニのように一旦お湯に香りを移してからライスに香りをまとわせる役割ですね。中華料理のウーシャンフェンなどにも使われている事からも、やはり塩分と相性がよい食事に使われるというイメージがあります。

一方のシナモンはケーキや紅茶に使われたり、砂糖と混ぜてパンに振りかけたり砂糖との相性が良いデザート系のイメージです。

 

■お茶にして飲んでみよう~

さあこれまでごちゃごちゃどうでもいい事を書いてきましたが、そんな事より実際に味わってみたいですよね?
こちらのカシアは料理に使うのはもちろんなのですが、もっとお手軽にスパイスの香りを楽しむ方法として煮出して飲んでもとても美味しいです。簡単に出来ますのでちょっとカシア買ってきてやってみて下さい。

カシアティーの作り方

(材料)
・水 1.5L
・カシア 10g

(作り方)
・上記材料をヤカンに入れて火にかける
・沸騰したら弱火にして10分煮出したら完成

こちら当店のランチタイムサービスでたまにお出ししているのですが、大人気です。これを飲んでスパイスを買って帰る人が続出しています。当店調べスパイス茶人気ランキング不動の一位。ホントです。

 

■まとめ

今回はカシアについてシナモンとの違いや、味や香り、薬効に至るまでを書いてきました。甘い香りはいろいろあるのですが、シナモンの甘い香りは独特で唯一無二なので是非料理に使って頂けたらと思います。
沢山買って使いきれないという方は最後に紹介したカシアティーを試されてみて下さい。きっと足りなくなってまた新たに購入する羽目になります。一人でも多くの方が無限ループにハマる事を祈っています。

 

■今回使ったスパイス

created by Rinker
¥200 (2024/11/05 13:01:03時点 楽天市場調べ-詳細)

 

 

 

皆様の健康のためご家庭にもっともっとスパイスを

チャクラ 小川

 

 

 

こちらの記事の著作権は当方に帰属しますが、シェアは無許可でOKです。下のボタンよりどうぞ。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。