インド人からのリクエストで聞いた事もないpatra(パトラ)に挑戦した話
はいどうも、カリーチャクラです!
今回のテーマはpatra(パトラ)ですね。パトラ?なんじゃそれ?ですよね。私も全然知らなくて、先日インド人のお客様からリクエストがありまして初めて知ったって流れです。
リクエストがあったならちょっと調べるだけでも調べてみるか~。からいつのまにやら実際に作ってしまったという流れ。まあでもここまで来たんならせっかく作ったしその時のレシピを残しときましょう~って事で現在に至っております。
まあこんな事は滅多にないでしょうが~。通りすがりのインド人の方よりパトラのリクエストがありましたら参考にして頂けたらと思います。
お伝えするのはいつもの私。仕事に疲れてサラリーマン退職から30代に飲食店での独立、現在南インド料理を作る現役料理人chakra店主のヒロシです。それでは始めましょう~ Let’s Spice!
目次
■そもそもpatra(パトラ)ってなんなの?って所から
上記のような流れで作る事になったパトラ。まあまずパトラってのはどんなものなのかを調べる所からスタートです。
調べた結果としては、パトラとは葉っぱにスパイス入りベサン粉(チャナ豆の粉末)ペーストを塗って蒸して焼いたものという認識でほぼ間違いないですな。
まず問題となったのはこの葉っぱ。arbi leavesってのを検索したらどうやら里芋の葉の事らしい。
しかし里芋の葉にはシュウ酸ナトリウムやシュウ酸カルシウムが含まれているので火入れが必須との事。シュウ酸とはほうれん草や山芋なんかに含まれエグミやかゆくなる原因だとか。まあこの辺は医学的な文献に任せるとして蒸すなどしてしっかりアク抜きをしないと食べられませんとの事。
なんでこんなに調べたかって?葉っぱって生の味はどんなかな~って軽くちぎって食べたらすんげ~エグくてこれやべ~んじゃない?って不安になって調べたからだよ。
皆さんは絶対生で食べないように!
後はgram flourってなんだろう?って思ったけどこれはベサン粉だってのがすぐ分かったのでこれで原材料による問題はクリア。
では早速作ってみよう~
■patra(パトラ)の作り方
使用する食材やスパイス
・里芋の葉っぱ 3~4枚
=ペーストの材料=
・ベサン粉 100g
・水 適量
・青唐辛子 1本
・塩 小1/2
・レッドチリパウダー 小1/2
・ターメリック 小1/2
・コリアンダーパウダー 大1/2
・アムチュール 小1/2
・ヒング 1つまみ
・アジョワンシード 小1/2
・レモン果汁 半玉分
=仕上げ焼き=
・サラダ油 大1
・クミンシード 小1
下処理をする
・里芋の葉っぱをよく洗い、茎と葉の中心に走っている太い葉脈をハサミでカットして乾かす。
・麺棒で全体をのして細い葉脈をつぶす。
・青唐辛子はみじん切りにする
・アジョワンシードは手で揉んで香りを出す
・レモンは絞って種を取り除く
作り方
・ベサン粉と水をボールに入れてダマが無くなるまで混ぜる
・その他ペーストの材料を加えて混ぜる
・里芋の葉の裏側にペーストを隙間なく塗る
・その上に里芋の葉を重ねてペーストを塗る
・すべての葉にペーストを塗り終えたら4辺を折り曲げ長方形にする
・折り曲げた部分にもペーストを塗る
・端からクルクルとまいて巻物状にする
・蒸し器に入れて20分ほど蒸し焼き
・粗熱が取れたら1㎝幅でカット
・フライパンにサラダ油とクミンを入れて火にかける
・クミンの香りが立ったらカットしたものを入れて焼き目をつける
■完全再現するコツを教えます
下処理のコツ
今回里芋の葉は30~40㎝くらいの大きさのものを使いました。葉の中心の葉脈が太いのでハサミでカットします。カッターで薄く削っても良いかと思います。
その後麺棒でのしていくのですが、これが結構気持ちよいです。ミシミシって感じで葉脈の潰れる音がします。
こうする事で葉の硬さを取り、自由に折り曲げる事が出来るようになります。
青唐辛子は細かめのみじん切りです。辛さのアクセントが欲しければ輪切りでもOKです。
アジョワンは粒同士を手のひらでこすり合わせるようにして揉みます。砕くというより軽く香りを立たせるというイメージです。
レモン果汁は特筆すべきこともなし。
作り方のコツ
ベサン粉を水で溶く際にはダマをつぶしながら混ぜて行きます。今回スプーンで混ぜましたが泡だて器などがあれば使った方が仕事が早いかなと。ダマが無くなったらその他の材料を入れて全体を混ぜたらペーストの完成です。
今回継ぎ足しながら作ったので水分量を計ってないのですが、出来上がりはお好み焼きの生地くらいの粘度ですね。タコ焼きよりも硬く、ホットケーキよりも柔らかい位。と言ってもなかなか伝わらないかと思いますので写真の感じでなんとな~くつかんで頂けたらなと期待。
ペーストが出来たら里芋の葉を裏返しに置いて塗っていきます。隙間なく塗るように心がけます。ペーストは1~2ミリ位の厚さがあった方が美味しいと思います。原理的な味を楽しみたければ薄めが良いでしょう。
一枚塗り終えたら別の葉を重ねてペーストを塗ります。この際葉脈をカットした際の穴がふさがるように互い違いに重ねて置きます。残りの葉も同様に重ねては塗りをします。
この際全体をバランス良く乗せて行くのですが、後の工程で長方形を作る事をイメージしながら重ねていくとバランスよく重ねられます。
全ての葉を重ねてペーストを塗り終えたら4辺を折り曲げて長方形を作ります。
折り曲げた部分にもペーストを塗っておきます。
端からクルクル巻いていきます。巻物を作るイメージですね。って巻物なんか作った事ないけどさ~。
巻物を蒸し器に入れて20分蒸します。
私は蒸し器を持っていないのでフライパンに水を入れて、お皿の上で蒸しています。水が直接当たらなければOKです。蒸し器を持っている方はもちろんそれを使った方が良いです。
蒸し器を持たない私はこれを機にイドュリ用の蒸し器を買おうか~なんてちょっと良からぬ事を考えています。ポチリ癖が発動しそうです。
粗熱が取れたらカットしていきます。この時点でベサン粉のペーストが固まっているので身崩れする事もなくしっかりと形を留めています。
今回初めてという事もあり、1㎝くらいでカット。生の葉のエグさにヒヨりました。現地の物は2㎝くらいの厚さがあるかと思います。
フライパンにサラダ油とクミンを入れて火にかけます。テンパリングですね。油にクミンの香りを移しています。
クミンの香りが立ったらカットした巻物を入れて両面をしっかり焼いたら出来上がりです。
出来上がりの写真をリクエストしたインド人に見せたらゴマを入れるといいよとの助言がありました。
出来上がりにふりかけるのだろうか?生地に練り込むのだろうか?定かではありませんが今度作る時にはゴマを入れてみようと思います。
■まとめの代わりに所感的な事
最初にも書いたように里芋の葉にはシュウ酸が含まれているのでしっかり火入れが必要です。調子こいて生では食べない方が良いです。絶対後悔します。
今回このイメージがあったので蒸した工程の後でも少し食べてみました。20分蒸してもエグミは残っていました。なので焼きで焦げる位火入れしたので見た目的にはまあまあ焦げています。失礼しました~。
まあでもエグミは取り除きたいので次回挑戦する際には下処理の段階で茹でてアク抜きをしてから調理に入るという方法も試してみたいものです。
その他の調理方法としては焼きの代わりに揚げる事。こちらも葉がカリッとして美味しそうですね。揚げ焼きにしても良さそうです。まだまだ挑戦の余地もありそうです。
味的な事ですが上記のレシピでは結構辛めの印象です。ただこれ正解が分からないのですがpatraは本来辛い物というイメージがありそうな気もします。今度インド人本人にも聞いてみましょう。
里芋の葉は一般的には売られていないので手に入りにくいという方も多いかと思います。
作ってみた感想では小松菜などでの代用もありかなと思います。いっそのことキャベツで作ってロールキャベツ風にアレンジしても面白いのかもしれません。まあネタという形にはなりますが。
今回patraを実際作ってみた感想はこんな感じです。日本ではなじみのない食べ物ですがインドはじめ海外では里芋の葉は食べられているみたいなのでこのような調理方法が広まればそのうち里芋が葉付きで売られる時代が来るのかもしれませんね~。まああくまで希望的観測ですが。
■今回使ったスパイス
皆様の健康のためご家庭にもっともっとスパイスを
チャクラ 小川
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