料理人という立場からセージを語る【買いすぎ使い切り調理法】
はいどうも、カリーチャクラです!今回のテーマは【セージ】です。
皆さんセージというスパイスをご存じでしょうか?スパイスにもいろいろ有りますが、クミンやコリアンダーなどのメジャー級スパイスに比べたらセージの知名度はまだまだ低い方だと思います。セージ。そうね~そんなスパイス聞いた事あるけど、使い方なんか知らんわって人も多いでしょうね~。まあ実際数年前までの私もそうでした。お金持ちのマダムがお庭で育てているイメージでしたもん。
でもそんなセージもちゃんと知ればそれなりに使い勝手は有るんです。
今回はそんなセージがいったい何者なのか?という事からどのような料理に合うのかをお話出来ればと思います。セージとちゃんと向き合って知る事でセージを使うきっかけになって頂けたら嬉しいです。
今回もそんな問題にお答えするのはいつもの私。仕事に疲れてサラリーマン退職から30代に飲食店での独立、現在南インド料理を作る現役料理人chakra店主のヒロシです。それでは始めましょう~ Let’s Spice!
目次
■まずはセージが何者なのかを知ろう
セージってのは、学名がSalvia officinalis 英語での表記はCommon Sage 和名では薬用サルビアとなりますね。
シソ科のサルビア属に属します。原産地は地中海北岸で現在では主にギリシャやイタリアなどで生産されています。
英語での表記がCommon Sageとなっていますが、単にSageというとサルビアの事を指しいろいろな種類に分かれています。
セージの種類の多さの一部を紹介しているYouTube動画を見つけたのでリンクを張っておきます。
なんかこの人好きやわ~。
今回説明するのは食用として一般的に利用されているCommon Sageの事です。以下俗称として通りのよいセージという表現としますのでご了承下さい。毎回毎回コモンセージコモンセージ繰り返されてもウザいでしょ。
そんなセージはどんな植物かと言いますと、草たけ60~90cmに達する多年草で葉は長さ2.5~5cmの長楕円形。葉面にビロード状の毛を持っており、この葉を食用として使用します。味は別にして見た目は産毛が生えていて可愛い葉っぱですよ。
■実際食べて確かめたらこんな香りや味がしました
香りから行きます。
良いように書けばヨモギのようなスーッとした清涼感のある爽やかな香りです。悪く書けば樟脳(ショウノウ。タンスの防虫剤)のような香りで、薬くさいかな。
これ単品ではクセが強いかなとも思いますが、その他スパイスとの調合次第ではミント的な役割を果たしてもくれそうですね。
そして恒例のそのままパクリで味を確認します。
最初にミントのような清涼感が来ますね。こちらは香りに引っ張られている感じです。その後噛み続けるとわずかですが苦味が増してきます。そして最後にしびれるような渋味が来ますね。
苦みと渋みは葉っぱ系スパイスの共通する所なのですが、苦み渋み共にそこまで主張が強い方ではありません。使い方に注意するとなると、最初のヨモギのような抜け感が強いのでこちらを基準にした方が良さそうです。
■すんごい薬効があるって聞いたけど本当?
セージは全世界で不老長寿のハーブとして高く評価されてきました。イギリスでは「長生きしたければ5月にセージを食べなさい」なんて格言もあるほどです。
古くは床にまいて疾病の予防に使うという習慣もあったそうです。ここまでくればもうなんでもありですな。
死んだやつ以外は全部直すとか言われたニゲラなんかもそうだし、昔の人ってやっぱりなんでもいいから何かにすがりたかったんですかね~。
おじいちゃんが死にそうです!って病院に連れて行ったらセージやニゲラを処方されるって事ですな。まあさすがに現代ではないでしょうが。
では現在において言われているセージの効果を見てみましょう。
セージには強い殺菌効果があり、風邪や扁桃腺炎などに効くといわれています。のどの痛み、口内炎、歯肉炎などをはじめとする軽い感染症にも効果があるとされています。
また、消化を促す効果があります。消化器の筋肉をリラックスさせて腸内ガスを緩和するため、食後にスパイスティーとして飲むのもおすすめです。レシピは後程。
■どんな料理に使えばいいの?
セージはどんな料理に使うの?そうね~そう~セージね~。そう!ソーセージです。
うん、私が悪いんじゃないですよ。実際にセージはソーセージの名前の由来らしいです。ソーがメス豚でセージがセージ。そんな言われるくらいだからもちろん代表的なのはソーセージでしょう。
もちろんソーセージ専門って事でもないのでその他の料理にも使われています。
豚肉、マトン、カモなど脂肪分が多い、または香りの強い肉類と合わせて使います。チーズやレバーなど、臭いの強い素材の臭い消しとしても優秀です。
それらをふまえてざっくりイメージを付けるとするなら、脂っぽいメニューと相性がよく料理をさっぱりさせてくれるって事ですね。薬くさいと感じる方もいるようですので使う量には気を付けましょう。
生葉はバジルやシソのようにも使えますが、そのまま食べるのであれば葉に厚みがあるので天ぷらにしたり火は長めに通した方がおすすめかなと。
あとはオイルやビネガーに漬け込んで、ちょいとおしゃれな後かけ使い。マダムの庭に生えているやつの使い方ですな。
まあ~でも正直こんなの仕込んだとしても、最初は楽しいがそのうち放置されてホコリをかぶるのが現実。
それよりも現実的なのは細かく刻んでバターやクリームチーズに混ぜ込み、パンなんかに塗って食べる事かな。こうする事で冷凍も利くので沢山収穫したって時に処理するには良い。
続いてドライなのですが、細かく刻んだものであれば肉のソテーなどにふりかけて使えます。参考までに下にレシピを載せておきます。
大きめのリーフの場合は食べると口の中に残ります。ですからローリエやローズマリーのように肉の下味を付けるのに使ったり、スープなどに入れたりして後程取りのぞきましょう。
ドライは生葉よりも香りが強い傾向にあります。やっぱり量には注意です。
■料理実践編
ポーセージ(ネーミングは寝ながら考えたので気にしないで下さい)
=材料=
・豚ロース 4枚
・玉ねぎ 1玉
=調味料=
・セージ 大1
・塩 小1
・ブラックペッパー 小1
=作り方=
・豚ロースの筋をカットする
・玉ねぎはスライスする
・豚ロースに調味料全てをもみ込む
・天板にアルミホイルをひき、玉ネギ、豚ロースの順に置く
・210℃に予熱したオーブンで15分焼いたら完成
=作り方のコツ=
豚ロースは脂と赤身の間に筋があるのでカットします。
でもこれカットしたらしたで出来上がりは安っぽく見えるのでいつも悩みます。生姜焼きのように肉の厚みが薄ければ問題ないのでしょうが、とんかつ用くらいの厚さだと肉が反り返ります。
出来上がりの見た目を気にするなら、焼きをフライパンにして押さえつけながら焼くという方法も良いかもですね。肉を焼いた後にその油で玉ねぎを炒める感じですね。
オーブンで焼くときには玉ねぎを豚肉の下にひきます。こうする事で豚肉から出た旨味が玉ネギに絡んでくれます。焼き上がりの色が足りなければ耐熱のお皿に移してからバーナーであぶれば焼き目がついて香ばしさが出ます。アルミホイルの上であぶるとホイルがとけるので注意です。
味の方はそこそこです。今回はセージの香りを楽しむレシピであり、美味しさを追求したものではありません。セージってこんな香なんだと分かってもらうにはとても良いレシピって事です。
困った時のセージティー
大量に買って使い切れないよ~という方はハーブティーとして飲むのが一番消費出来ます。
おひとり様用のちょっとおしゃれなバージョン、そんなちまちまやってらんね~よって方向けの大量バージョン2パターン書いときます。お好きな方でどうぞ。
=セージティー=
・ティーポットに小さじ1のドライセージを入れて150㏄の熱湯を注ぐ
・3分たったら茶こしを使ってお気に入りのカップに注げば完成
=大量バージョン=
・ドライセージ2gを茶こしパックに入れる
・ヤカンに水1.5Lと上記ドライセージを入れる
・強火にかけて沸騰したら弱火にして10分たったら完成
■あーだこーだ言ったのでここらでまとめよう
セージというスパイスの基本的な情報から味や香り、具体的な料理方法までを説明してきました。
ハーブ系のスパイスは一袋購入すると結構多めに入っていたりして、使うのに苦労するという事もあるかと思います。私も昔はそうでした。
そんな方には本文中に説明したスパイスティーがおすすめです。スパイスティーという方法を覚えれば、スパイス本来の香りを確かめる事が出来ますし、なにより使い切れないんじゃないかという不安から購入を見送るという事が無くなります。あきらめるってのが一番の悪だと思っています。
このページが皆さんのセージを使うきっかけになってくれれば嬉しいです。
■今回使ったスパイス
皆様の健康のためご家庭にもっともっとスパイスを
チャクラ 小川
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