麻薬が作れるスパイス?ポピーは意外と主張の少ないやつだった
はいどうも、カリーチャクラです!今回のテーマはスパイスのポピーについてです。
ポピー?なんか聞いた事あるな~って方も多いかと思いますが、スパイスとしてよりは鑑賞用のお花としてではないでしょうか。はたまた昔のテレビでは♪車にポピ~なんて芳香剤のコマーシャルが流れていたりしていましたよね~。ってのがピンと来たら昭和生まれ確定ですな。
まあそんな芳香剤の名前が花由来かどうかは知りませんが、今回はそんな事とは全然関係なくスパイスとしてのポピーのお話です。
今回はポピーというスパイスの基本的な情報から、料理への使い方や薬効までを独断と偏見を交えてお伝えして行こうと思います。
そんなポピーについて語るのはいつもの私。仕事に疲れてサラリーマン退職から30代に飲食店での独立、現在南インド料理を作る現役料理人chakra店主のヒロシです。それでは始めましょう~ Let’s Spice!
目次
■まずはポピーってスパイスの事を知ろうじゃないか
うちのページを訪れている方にはあまり興味がないかもだけど、基本的な知識も大事なんでね~。いちおうまとめときますが興味なかったらすっ飛ばして下さい。
ポピーの学名はpapaver somniferum で、和名だと ケシ ですね。これが英語読みになると poppy seeds ポピーですな。
スパイス業界での一般的な通り名は英名のポピーなので、うちでもポピーと呼ぶようにしています。
原産地は東地中海地方から中央アジアで、主な産地はイラン、インド、中国、オランダ、ロシア、ポーランド、ルーマニア、アルゼンチン、トルコなどなどとなります。
ケシ科の背の高い一年草で色とりどりな花を咲かせるので、日本では観賞用としての需要が高いです。
これはまた後程詳しく書きますが、スパイスのポピーと鑑賞花としてのポピーは品種が違います。スパイス買ったついでにお花も育ててやろう~って目論見の方には残念なお知らせ。
日本に輸入されているポピーは、ホワイトとブラック(ブルー)の2種類に区分されます。日本でポピュラーなのはシロケシと呼ばれるホワイトポピーシードで、うちで扱っているのもホワイトのほうです。ブラックは使った事がないのでよう分かりません~。ゴメン。
■ポピーってどんな香りや味がするの?
まずは香りから行きましょう。
ゴマ同様半分は油を含んでいるのですが、揮発性の精油はほとんどないのでほぼ無臭です。スパイスの瓶に大量保存した際にようやくほんのりゴマのような香りがします。
普段はあまり香りませんが、加熱すると香ばしいナッツのような香りが立ってきます。
続きまして恒例のそのままパクリで味を確認。
味はピーナツとクルミの中間のような味がしますね。なのですが~、香りにしても味にしてもそんなに強くはないという印象です。
そういう意味で言えば、ポピーの役割は味や香りがメインではないという事になりますね。
■ポピーは麻薬だって聞いたけど本当?
ポピーの未熟果を切ると、乳液がにじみ出てこれを乾燥させた物がアヘンになります。アヘンからはモルヒネやコデインなどの鎮痛や麻酔効果のある薬が得られます。このモルヒネを化学的に変化させたものがヘロインですね。まあでもこの辺は皆さんも聞いた事があるでしょうが、中毒性があるので現在は各国とも一般の栽培を禁じています。もちろん日本でも違法ね。
なんだけど~。随分と前にどこぞの自治体が河川敷に普通のポピーだと勘違いして大量に育てていたってニュースを見たな~。それは焼却処分になったって言っていたけど、せっかくだったら薬用に使ったら良かったのに~なんて思ったが現実問題無理ってもんでしょな。
このアヘンが作れるポピーなんですが、スパイスとして使われるまで成長した時点でアヘンの成分は失われているみたいなので、スパイスとしてのポピーは食べても大丈夫。ラリパッパなりません。
ちなみに、スパイスとして売られているポピーは種として植えても芽が出ないように熱処理されているみたいです。観賞花として育てても芽が出ませんって事ですね。ほんと~?ってちょっと挑戦してみたくはあるが、何かの手違いで芽が出ちゃったら犯罪なんでさすがにやめときましょう。
じゃあ観賞花のポピーはどうなん?って事なんですが、こちらはスパイスのポピーとは別種で、未熟果にもアヘンの成分は含まないみたいですね。
アヘンとかばっかりでそれ以外に効能はないのかい?って事なんですが、ポピーシードの20パーセントが食物繊維でできているので整腸作用や便秘改善、肌荒れにも効果があるみたいですね。
とまあ一応薬効はあるにはあるのですが、インパクト的にモルヒネやヘロインには勝てんな~。
■ポピーをどうやって食べてやろう
ポピーを料理へ使うとしたら、西洋や中近東ではパンやクッキーに振りかけて焼いたり、塩味のパンやケーキに加えたりしますね。味というより食感を楽しむ事が多いかな。
へ~そうなんだ~。なんて思っているそこのあなた!実はあなたも一度は食べた事があるんじゃないですかね?日本ではあんパンの上に乗っかてるあの粒々。あのケシ粒ほどの大きさのものがポピーです。実はこの小さいものって意味の芥子粒って表現もこのポピー(ケシ)が由来です。
アンパンの話に戻りますが、上に乗っているこのケシ粒をゴマだと思っている方も多いかと思います。実はあれがポピーで、日本におけるポピーの一番メジャーな使い方だと思いますね~。ちなみに黒ポピーと白ポピーでこしあんと粒あんを区別しているとか?まあ私はパン屋じゃないのでどっちがどっちかは忘れましたが。
ってなことで世界的にはそんな感じで使われているポピーなんですが、私らの業界ではちょっと違う使われ方をしております。食感としての利用はもちろんあるのですが、もう一つ重要な仕事としてとろみをつけるという役割もありますね。
具体的に言いますと、うちでは乾煎りミルしてチキンチェティナードに入れたりしています。ジャパニーズカレーと違って小麦粉なんて使わないのでこんな感じでとろみをアレンジしたりしますね。
その他としては、ミックススパイスの材料としても使われています。皆さんおなじみ「七味唐辛子」の材料に使われる事もありますね。ちなみに七味唐辛子って麻も使われているからポピー(ケシ)と麻で麻薬だらけって事になりますな~。
■チキンチェティナードのレシピはこちらから
当店でよく作るポピーを使った料理はこちら
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■ポピーについての私の考えをまとめる
今回はポピーについてまとめてみました。なんだか麻薬の話ばっかりだったような気がしてしまいますが。
まあでもこれある程度はしょうがない部分もあるかと思われます。というのもポピーってどっちかというと主張が少ないスパイスで、味付けや香り付けというよりは食感としての使われ方が多いんです。なので改めて文章にまとめるとなるとどうしてもこんな表現になっちゃうのかな~なんて。
もちろん香りや味が無いわけではないので使えるのですが、香りや味としての用途で使うならカシューナッツやクルミを選択するかな~という感じです。
という事でうちの店でのポピー使いは全体のベースとなる所でのとろみアップってのがメインになっています。
例としては上記チキンチェティナードのレシピを参照して頂けたらと思います。興味がありましたら作ってみて下さいませ~。ではではよいスパイスライフを。
■今回使ったスパイス
皆様の健康のためご家庭にもっともっとスパイスを
チャクラ 小川
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