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スターアニスをカレー屋の目から語る【買いすぎ余った際のさばき方付き】

はいどうも、カリーチャクラです!今回のテーマはスターアニスです。
日本での通り名はスターアニスというよりは八角ですかね?中華料理店などに行くとよく見かける名前のまんま八角で見た目のかわいいスパイスです。
キャピキャピ系の女子が使い方も知らないくせにかわいい~欲しい~なんてのたまうアレですね。

今回はそんなスターアニスについて真面目に掘り下げようと思います。
この記事を読んで頂けたら、スターアニスとはいったいどんなスパイスなの?という基本的な所から薬効や料理への使い方までが分かると思います。

スターアニスは癖のあるスパイスがゆえに使い方を間違えると痛い目に合いますが、その分きちんと使ってやれば料理に独特の香りを足すことが出来ます。この記事を読んでこの厄介スパイスを是非自分の物にされてみて下さい。

今回もお答えするのはいつもの私。仕事に疲れてサラリーマン退職から30代に飲食店での独立、現在南インド料理を作る現役料理人chakra店主のヒロシです。それでは始めましょう~ Let’s Spice!



 

■スターアニスってどんなスパイス?

まずは基本的な情報から始めるのですが、その前にスターアニスを確定させるという事から行きます。
今回私が参考にさせてもらった書籍ではスターアニスはモクレン科の果実となっていたのですが、ネット上で調べるとシキミ科となっていました。あれ?と思ってもう少し掘り下げて調べていくと、日本メディカルハーブ協会さんのHPに行きついたのですが、以前はモクレン科だったのが現在はシキミ科に変わっていると。こんなもの変わることもあるんだ~なんてちょっとびっくりしました。
まあそりゃ~人間が勝手に分類しているだけだから間違いもあるだろうし、新たな情報が分かれば認識が変わる事もあり得るって事なのでしょう。私が子供の頃に教わった聖徳太子は歴史の教科書からその名が消えているらしいですし。
またこの中で書かれていた事として、スターアニスにはシキミという形状の似たスパイスがあり、こちらは毒性を含んだものでスターアニスとは異なるとの事です。
日本メディカルハーブ協会さんのページではスターアニスとシキミとの違いについて詳しく書いてあり、とても面白かったのでリンクを張っておきます。参考になりましたありがとうございます。本当に一読の価値ありです。

以上の事をふまえて、今回説明させて頂くのはシキミではなくてスターアニスです。

では本題です。まず呼び名からいきますと、学名は【Illicium verum】であり、呼び名で言うと大茴香(ダイウイキョウ)、八角、スターアニスなどですね。日本での知名度が高いのは八角だとは思うのですが、スパイス界ではスターアニスが通称となっていますので、今後当店ではスターアニスと表記させて頂きます。

スターアニスはマツブサ科(シキミ科)シキミ属トウシキミという常緑樹の果実を乾燥させたスパイスです。
原産地は中国南部とベトナムで現在でも主な生産地となっています。
名前の通り一度見たら忘れない八角の可愛い星形をしており、この8つのそれぞれにつるんとした種が入っています。

見た目の可愛さもあり、スパイスの写真を撮るには一番人気。でもその割には中国以外での使用は頻繁ではなく、西洋で使われ始めたのは最近の話。見た目先行型のちょっと切ないアイドルのよう。

 

■味や香りを確かめるためにそのままパクリ

スターアニスの香りはやや甘い芳香でスーっと抜ける清涼感があります。鼻に抜ける感じはブラウンカルダモンに似ていますね。
そして恒例のままパクリとスターアニスを噛んでみたのですが、香りとは異なり甘味が強くこってりとした清涼感があります。種の部分は少し後味に苦みを感じますね。

こちら噛んでいて何かに似ているな~と考えていたのですが、パスティスのダンタンというお酒と全く同じ味ですね。アブサンなんかと似たようなお酒なのですが、そういえばラベルの絵がスターアニスだったような覚えがあります。昔そんな事は知らずによく飲んでいたのですが、久しぶりに仕入れてみようかな。

また、スターアニスの香りはアニスやフェンネルと似ているとよく言われます。これらのスパイスには共通して香り成分のアネトールを含んでいるからですね。
このアネトールは上でも書いたようにパスティスやアニゼットなどのリキュールやチューイングガム、はたまた歯磨き粉の香り付けなんかにも使われています。

アニスやフェンネルの話が出たのでついでに書きますと。
これらを漢字で書いたらスターアニスが【大茴香】で、アニスが【西洋茴香】、フェンネルは【茴香】となります。すごく似ていますよね?でもですね。こいつら香りも表記も似ているのにこちらそれぞれ全く違う種類の植物っていうからホントややこしくてしょうがない。

 

■スターアニスはなにに効くの?

薬効としましては、腺癌やリュウマチの薬として処方されています。またスターアニスに含まれるシキミ酸はインフルエンザ治療薬タミフルの原料にもなっているようです。
まあこの辺は毎度書いていますが、私は薬剤師でも医師でもないただのカレー屋なので、薬効を保証するものではありません。参考程度に読んで頂けたらと思います。

薬効とは別の意味になるとは思うのですが、石鹸や香水や歯磨き粉に使われたりもしていますね。このスーっと抜ける甘い香りは独特なので香料として使われるのは納得です。

 

■料理にはどう使おう?

その名が示す通りアニスの代用として使えます。もともとはアニスが高価だからその代替品として広まったという話もありますが、現在ではそこまで値段も違わないですね。
それでも使われ続けているという事はスターアニス自体が一般的に認められたという事でしょう。ただし、アニスに比べて風味が強いので代用として使用する際には量に注意しましょう。

スターアニスはアニスに比べて風味が強いと言いましたが、アニスに比べるまでもなくスターアニスは主張の強いスパイスです。入れすぎ禁物三大スパイスの内の一つです。私の独断で決めました。
ちなみに残りの2つはクローブとターメリック。まあこれらが特に入れすぎ注意だよというだけで、どんなスパイスでも入れすぎはアウトです。

続きまして料理への使い方なのですが、最近では西洋でも使われ始めましたがやっぱりいまだに中華料理のイメージは強いですね。
中華料理の中でも味のハッキリとした濃い味の物に使われるイメージです。豚肉や鶏鴨類、レバーなどの臭み消しといった感じでしょうか。他のスパイスと混ぜて臭み消しを兼ねるという感じであり、やはりスターアニスを料理のメインの香りとして打ち出すのは勇気がいりますね。だって歯磨き粉の香りですもんね。

何らかのスパイスと合わせるという点で有名なのはウーシャンフェンです。五香粉と書きます。こちらは中華料理を代表するミックススパイスで、スターアニスの他にはカシア、山椒、クローブ、フェンネルが含まれます。作り方は次の項目で紹介します。

 

■買いすぎ余った際のさばき方

入れすぎ注意なスターアニス。買ったはいいものの使い切れないよ~という方はウーシャンフェンとして使う事をおすすめします。
ウーシャンフェンは揚げ物に使うとさばきやすいと思います。鶏のから揚げの漬け込みに使用したり、素揚げしたジャガイモに塩とまぶしたりするだけで中華料理っぽくなって面白いですよ。

ウーシャンフェンの作り方

=材料=
・スターアニス 20g
・カシア(シナモン) 20g
・クローブ 10g
・フェンネル 20g
・山椒 10g

=作り方=
・上記材料を乾煎りしてミルで細かくひく

 

■スターアニスのまとめ

スターアニスについて私なりの考えをまとめてみました。
香りや味に関してはとても強く、料理での使い方はちょっと扱いが難しいのかなと思います。中華料理をメインでされる方以外は、買うと使い切れない~なんて事になる可能性が高いスパイスですね。

参考までに当店での使用方法を少しだけ紹介しますと【八角香るチキングレービー】などと銘打って、八角使っているから嫌な奴らは食うなよ~という予防線を張ったメイン。参考までに下にレシピのリンクを張っておきます。

他には、ビリヤニ用のバスマティライスを茹でる時に全体にほんのりと香りを付ける役目として使っています。
こちらは全体のお湯の量に対して少量ですので、そこまでスターアニスが主張して来るという事はないです。

それでも使い切れないという方はウーシャンフェンで揚げ物や炒め物という感じですかね。

とまあこんな感じで神経を使うスパイスである事は確かだと思います。ただそんなクセのあるスパイスですから、使えるようになったら唯一無二の香りを楽しむことが出来ます。
まあ散々脅してはきましたが、逃げ道もいくらか紹介したのでこれをきっかけに一度挑戦するというのも良いと思いますよ。逆にここでチャレンジしないと二度と手が出なくなる可能性ありですわ。

 

■今回使ったスパイス

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皆様の健康のためご家庭にもっともっとスパイスを

チャクラ 小川

 

 

 

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