コリアンダーを料理人の目から語る【余ったらお茶にして飲もう】
はいどうも、カリーチャクラです!今回のテーマはコリアンダーです。
こちらスパイス界ではよく使われる有名なスパイスで、私も大好きなスパイスのうちの一つです。
今回はそんなコリアンダーとはいったい何なのか?という事からどんな香りがしてどのような料理に使われているのかまでを説明していこうと思います。
お答えするのはいつもの私。仕事に疲れてサラリーマン退職から30代に飲食店での独立、現在南インド料理を作る現役料理人CHAKRA店主のヒロシです。それでは始めましょう~ Let’s Spice!
目次
■コリアンダーやパクチー以外にも呼び名はある
まずはコリアンダーの呼び名についての説明から入ろうと思います。
スパイス料理をあまりされない方でコリアンダーをご存じないという方も、パクチーと言われればご存じの方も多いのではないでしょうか。コリアンダーとはパクチーの種子の事です。
日本では一般的に葉っぱや茎の部分をパクチーと呼んで、その種子を乾燥させてスパイスとして使うものをコリアンダーと呼ぶ事が多いです。当店でも慣例にならってそのように呼び分けています。
そんなコリアンダーなのですが、世界中で使われているだけあっていろいろな呼ばれ方をしています。例えば日本でよく使われているコリアンダーというのは英語で、パクチーはタイ語。
実はこのコリアンダーには日本名があります。コエンドロとかカメムシソウですね。カメムシソウって面白いな~もっと広まればいいのにと思うのですが、外国語が広まるというのはなんか日本らしいというかなんというか。
その他の呼び名はと言いますと、中国語では香菜(シャンツァイ)、スペイン語ではシラントロなんて呼ばれます。
シラントロで思い出したのですが、私が昔メキシコに行った時にタコス屋にてシラントロ入れるのか?って聞かれて、大好きだから遠慮なく入れてくれ!っていうと横のおばちゃんが嫌な顔していたのをおもいだした。おばちゃんのリアクションもそうだし、わざわざこんな事を聞くという事はパクチー嫌いは世界中にいるもんだな~なんて。
改めて言いますが、今回説明するのはスパイスとして使われる種子のコリアンダーです。
パクチーに関しては、長持ちさせる方法としてまとめたページがありますので興味がありましたらこちらも合わせてご覧ください。
はいどうも、カリーチャクラです! 皆さん大量のパクチーがお家にあふれてどうしようもなくなった事無いですか?私は有ります!というかかなり頻繁にあります(笑) 当店では契約している農家さんから定期的に野菜を送ってもらっているのですが、その中にパクチーも含まれています。そしてなぜだか、パクチーが送られ...
■コリアンダーってどんなスパイス?
原産地は地中海沿岸ですが、現在では世界中で生産されています。ちなみに私の実家の庭でも育っています。
高さ30~80㎝になるセリ科の一年生植物で、こちらの実を乾燥させて果肉から外した種の部分がコリアンダーとなります。
見た目は薄い茶色で形状は小さく丸いです。スパイスの袋詰めなんかしてて落としたらどこまでも転がっていきます。掃除をしているとたまに見かけます。気を付けましょう。
■香りや味は?
まずは香りなのですが、一言で言うといい香りです!なんて言われても伝わらないですよね。
言葉で表現すると、甘くてマイルドな感じですね。甘いと言ってもベタベタな甘さではなく、さわやか柑橘系の甘い香りです。葉っぱの香りからは全く想像が出来ないです。種と葉っぱでこんなにも違うものなのですね。パクチーの香りが嫌いと言う方は少なからずおられるかもしれませんが、コリアンダーの香りが嫌いと言う方は少ないのではないでしょうか。
私みたいにちょっと変わったカレー屋としてはこんな万人受けするベタなスパイスの香りが好きなんてあんまり言いたくはないのですが、実は一番好きだったりします。
続きまして味です。今回も恒例そのままパクリと食べてみての感想です。
香りと同じく味も甘くマイルドです。しかし、香りほど主張は強くなく清楚な感じがしますね。言い方変えれば薄いって事なんですけどね。
コリアンダーが他のスパイスに比べて大量に使われるのはそういう意味もありますね。
問題点としては、食べていると皮が口の中にしばらく残ります。そちらに気を取られて味を感じ取りにくかったのかもしれません。
私はそのままの状態で食べたのでお口が皮皮したのですが、もしそのまま使いたいのであれば乾煎りしてから使われた方がいいと思います。皮皮感が軽減されます。
■コリアンダーは何に効くのかな?
ギリシャ医学の父ヒポクラテスが紀元前にコリアンダーを薬として使ったとされているくらい歴史は古いです。
主な効能としては肝機能障害、風邪、胃弱、炎症緩和に効くとされています。
まあただ私は医者でも薬剤師でもないですからこの辺はあくまで想像と言うか言われていますよ~位の感じでとらえて頂けたらと思います。
でも実際私がスパイスとかかわる様になってからは風邪もひかなくなりましたし体調がいいのは事実です。
信じるかどうかはあなた次第!という所。
■どんな料理に使うの?
さて皆さんお待ちかね、お次はコリアンダーを何の料理に使うのかという事についてです。
コリアンダーは香りがマイルドなので使いやすいというのが特徴。これを使う料理となると?さあどうしよう、悩む。
だってコリアンダーはなんにでも使えるので、これがおススメ!という料理がないのですよね。
肉魚卵豆料理なんでもかかってこいという懐の広さ。
料理に直接入れるのはもちろんの事、ピクルスのマリネ液なんかにも使用されるように液体に香りを移すというのもOK。
さらにさらに香りの成分は香水やお香にも使われているってもう無敵。死角がありません。
まあ使い勝手が良いっていうのは上でも説明したように味が薄いってことの裏返しなのですけどね。
まあでもさすがにここで何も紹介しないのはあんまりだと思うので、そんな中でもより代表的なものを紹介するとすれば、ガラムマサラやサンバルパウダーのようなミックススパイスに使われるという事ですね。
ガラムマサラ
はいどうも、カリーチャクラです! 今回は中級者むけですかね?過去にスパイスからカレーを作った事があるが、でも実はガラムマサラは既製品を使っていた。これでは一から作ったと言えないやん~ガラムマサラも自作をしてみたかったんだよな~と思われている方向けです。 こちらを読んで頂けたら、ガラムマサ...
サンバルパウダー
はいどうも、カリーチャクラです!今回のテーマは【実践料理編】サンバルです。 当店は南インド料理ミールスの専門店なのですが、そのミールスに含まれるメイン的な物の一つがこのサンバルです。ミールスの中では決して派手な料理ではないですが、だからこそ店のレベルが問われるそんな料理ですね。 今回の記事で...
うちの店で使うこの2大ミックススパイスは、コリアンダー率が非常に高くコリアンダー抜きには作れません。
このようにミックススパイスでつなぎの役割をしている事から、コリアンダーはスパイスのまとめ役とか調和のスパイスなどと呼ばれますね。
■お茶にして飲んでみよう
うちの店では平日ランチタイムにスパイス茶をサービスでお出ししているのですが、これを出している理由って実はお客様の為と言うよりも私の勉強の為という理由があったりしまして。
スパイスの香りや味をよりよく知るためにはそのままパクリも大事なのですが、煮出して飲むのも分かりやすかったりします。
あんまり高いスパイスではさすがに作りませんが、コリアンダーは私のような貧乏人にも手が届く財布にやさしいスパイスなのでたまに作っています。参考までに作り方を書いておきます。
用意する材料
・コリアンダー 20g
・水 1.5L
コリアンダー茶の作り方
・上記材料をヤカンに入れて火にかける
・沸騰したら弱火にして20分煮出す
クミンやフェンネルなんかだと10gの10分くらいで出来るので、これでコリアンダーがいかに香りの出にくいスパイスかが分かりますね。このレシピに行きつくまで相当うすいコリアンダー茶を飲まされました。
■コリアンダーについてのまとめ
今回はスパイスのコリアンダーについてまとめてみました。コリアンダーはスパイス料理において汎用性もありますし、スパイス料理を始めたら初期に出てくるスパイスです。これを機にご自宅の調味料の一つとしてコリアンダーを加えられてみてはいかがでしょう。
先ほども言いましたが、私はコリアンダーの香りが大好きです。料理に使わないまでも、たまに香りを嗅ぐだけでも幸せになれますよ。
■今回使ったスパイス
皆様の健康のためご家庭にもっともっとスパイスを
チャクラ 小川
こちらの記事の著作権は当方に帰属しますが、シェアは無許可でOKです。下のボタンよりどうぞ。
この記事へのコメントはありません。