ほうれん草チキンはサグチキンだよね?って事からお店の最新レシピまで
はいどうも、カリーチャクラです!
今回のテーマはサグチキンです。サグチキン。うん久々作るな~。
サグチキンはどうしても北インドのイメージがあって、うちが南インドに傾向し始めてからは少し遠ざかっていました。
でもほら、南インドばっかりやっているといつも精進料理みたいになっちゃうでしょ~。たまにはいいかなって思いまして今回のテーマはサグチキンって事で行きますね。
今回の記事ではサグチキンっていったい何だい?って所からスタートしましてうちの店のガチレシピ。そしてその再現性を高めるためのコツまで。そんな感じで説明出来たらなと思います。
おうちで趣味としてカレーを作っているけどちょっと変わったレシピに挑戦してみたいとか、カレー屋やってるけど新しいレシピを探してる~って方には必見だと思います。
お伝えするのはいつもの私。仕事に疲れてサラリーマン退職から30代に飲食店での独立、現在南インド料理を作る現役料理人chakra店主のヒロシです。それでは始めましょう~ Let’s Spice!
目次
■だいたいサグチキンなんて聞いた事もないんだけど~って方のためにちょっと説明
ではまずサグチキンのサグって何?みたいな話から始めますね。
日本でサグって言われたらほうれん草のカレーを指す事が多いです。
日本では?って思われるかもしれませんが、実はサグってのは青菜全体を指す言葉であり、ほうれん草を表す言葉は本来パラクですね。でも日本ではサグ=ほうれん草というイメージが強いのでそのまま使っている感じです。
では本来のサグってどんなんだろう?って事であちらのサグレシピをつらつら眺めていたのですが、ほんと様々です。もちろんほうれん草もあるのですが、フレッシュカスリメティや菜の花、そして空心菜っぽいものもあったな~。このあたりをメインにミックスしている感じ。イメージはミックスリーフです。
レシピあさってたらパクチーで作っている人がいたのにはさすがにビックリしましたね。どうなるんだろう~。試してみたいが日本では受けない気がする・・・。
そして、そんなサグに合わせるものも様々で、チキンももちろんあるけど一番の勢力としてはパニール(ぼそぼそチーズ)が多い気がした。
パニール、豆、ジャガイモ、チキンって並びかな。まあこの辺はあくまで私がレシピを目にしたイメージなだけ。でもインドはベジタリアンが多いのでチキンは下の方になるのはそうかなと思いますね。
とまあサグチキンってのはこんな感じです。
どうでもいい事ガチャガチャ書きましたが、日本とインドでは随分とイメージが違うよって事だけ知って頂けたらと。
これらをふまえて頂いた上で、今回はサグチキン(ほうれん草チキン)を作っていきますね。
■うちの店のサグチキンレシピ
=材料=
・ほうれん草 2袋分
・トマト缶 1/2
・鶏モモ肉 500g
・塩 小1
・ショウガ 適量
=テンパリング=
・サラダ油 大2
・クミンシード 小1
・G&G 10g
・青唐辛子 1本
・カスリメティ 一つまみ
=パウダースパイス=
・コリアンダー 大1
・クミン 小1
・アムチュール 小1/2
・カルダモン 小1/2
・ターメリック 小1/2
・チリ 小1
・ブラックペッパー 少々
=作り方=
①ほうれん草の根を落として3分程度茹でる
②水を軽く絞りミキサーでペースト状にする
③G&Gを作る
④青唐辛子はみじん切り鶏もも肉は2㎝角切りショウガは細切り
⑤厚手の鍋で順にテンパリングをする
⑥トマト缶を加えて煮詰める
⑦パウダースパイスを加える
⑧鶏肉と塩を入れて火入れする
⑨水200㏄を入れて沸騰後10分煮込む
⑩②を鍋に入れて混ぜ沸騰させる
⑪器に盛りショウガを散らしたら完成
■おうちでお店の味が楽しめます【チャクラのコツを教えます】
材料のコツ
ほうれん草は2袋分。
これって変動ありますが、一袋が大体4把くらい入っているので8把くらいって事ですね。測ったら300gくらいでした。見た目は多く見えますが茹でると小さくなるのは青菜の宿命。
青唐辛子が無い場合は省略でもよかです。ただ青臭さが抜けちゃうんでシシトウを代理で使ってもOK。
ちなみにうちは夏場に青唐辛子をまとめ買いして冷凍して一年もたせています。レジのおばちゃんからは相当辛いもの好きって思われている事でしょう。
今回トマトはカットトマト缶を使いました。
フレッシュトマトですと1玉で良いかと思います。2㎝くらいの角切りにしときましょう。
カスリメティは乾燥のやつを使います。原型が残ったまま乾燥させられたやつです。パウダーではありませんのでお間違いなく。
風味的にこれは外せないので是非用意して欲しい所です。
でもね~カスリメティって一回買うと結構な量になっちゃうんですよね~。使い切れねーよ!って方は下のリンクを参照してさばいて下さいませ。
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パウダースパイスの項目で皆さん持ってないとしたらアムチュールですかね~。これもちょと替えが効かないので用意して欲しいかな~。
このページの最後の方にリンクを張っときます。うちの通販ショップリンクなんだけど、レシピタダだしこれくらいの宣伝はさせておくれ~。もちろんうちのショップから買わなくても出来る物は同じ。
下処理のコツ
まずはほうれん草を処理していきます。
ほうれん草の根を落としボールかなんかでじゃぶじゃぶ洗います。ほうれん草は水耕栽培が無いのか?土をかんでいる事が多いので注意して洗って下さいね。
大き目の鍋にお湯をたっぷり沸かしほうれん草を入れます。根から~とかあんまこだわらんでもいいです。どうせクタクタにさせますんで。
時間で言えばほうれん草が鍋につかってからから3分って所です。1分で再沸騰、残り2分で茹でるって感じですね。
茹であがったほうれん草をザルなどにあけてお湯を切り、ざく切りにします。これマジで熱いので注意です。
私はまな板の上に熱々ほうれん草置いて、手を添えずに切っています。包丁使いの基本滑らせながら切るとか無視です。押切です。
料亭とかだったら怒られそうですが、私料理の師匠もいないんでこの辺は自由です。熱いよりいい。
カットしたほうれん草をミキサーに入れてペースト状になるまでミルです。突っつきながら下に落としつつ回すを繰り返してペースト状にしていきます。ここはなるべく水を加えたくない所です。でもこれさすがに無理じゃね?ってなったら最小限の水で回しましょう。抵抗がなければ加えるのは油(オリーブオイルが望ましい)でもOKです。サグは油が多いほど美味いってのは事実。ミキサーなんかで強制乳化させたらコクに変わります。
完全にペーストになったら次の出番までその辺に保留。
青唐辛子はみじん切りです。
輪切りよりもみじんの方が全体になじむので良いかな~と思っています。
鶏もも肉は2~3㎝カットです。つなぎ目の骨の破片等注意しながらカットしましょう。
今回皮も使います。だって美味しいからね~。嫌いな人は外してもいいけどうまみは下がりますよ。
カットしたらした味で塩を少々揉みこんどきます。
ショウガは細切りにしておきます。これは仕上げトッピング用なので均等に丁寧に切りましょう。見た目は大事。
長さは2~3㎝で幅は1㎜位を狙っています。
G&Gのつくりかた
G&Gってのはショウガとニンニクを同量ミキサーにかけてペースト状にしたものです。
インド料理を作っているとこれを大量に使うので前もって仕込んでいるって事です。
まあでも普通の人はこんなの仕込んでいないでしょうからニンニクとショウガを1欠片ずつ超細かくみじん切りにしましょう。
G&G作ってみたい~って私のような変態の方向けに詳しく説明したページがあります。興味がありましたら。
はいどうも、カリーチャクラです! 今回は簡単にカレーのコクがアップする魔法、G&Gの作り方です。ちなみにG&Gっていうのはジンジャー&ガーリックの略で、私は南インド料理しかやってきてないのでG&Gと言えばジンジャー&ガーリックだったのですが、今回このページを書くにあたり...
テンパリングのコツ
テンパリングのコツは毎度毎度同じ事言っていますが焦がさない事!
でもでも今回のはホントに特に注意です。いつものテンパリングよりかなりレベルが高いです。
特に最後のカスリメティはホントに焦げやすいです。そして苦くなりやすいです。あまりにも焦げやすいのでレシピをトマトの後に変更しようかと悩んだくらいですが、やっぱり妥協は良くないと私が作っているそのまんまのレシピでの紹介です。
では実践です。
まずはサラダ油とクミンを厚手の鍋に入れて火にかけます。クミンの周りに気泡が付いて香りが立ってきます。色が変わってきたな~と思ったら火を止めてG&Gを入れます。
この時バチバチなりますので怖い方はフタで防御。フタと鍋の隙間に木べらを入れて、中のG&Gを全体に広げたらそのうちバチバチが収まるので改めて火をつけます。G&Gがクミン油になじんで、再びバチバチ言い始めたら青唐辛子とカスリメティを入れます。カスリメティは一つまみです。一つまみとは指先3本でつまんだ量です。ちなみに指2本でつまんだら少々です。
カスリメティを入れたら木べらでざっとかき混ぜます。色が変わる瞬間がベストタイミング。その間約2秒。
色が変わったらトマト缶を入れて鍋の温度を下げてやります。すぐに入れられるようにトマト缶はあらかじめ用意しておくのを忘れずに。
作り方のコツ
今までの説明で①~⑤までは終わっています。ここでは残りをまとめて説明します。
トマト缶が入ったら鍋の温度が下がるかと思います。再沸騰させるまで強火です。沸騰後は中火で赤い油が分離してくるまで詰めていきます。今回油が多めですし玉ねぎも使っていないので結構分かりやすく出てくるかと思います。
赤い油が分離してきたらパウダースパイスを入れます。全体をからめる感じで混ぜます。
スパイスの香りが立ってきたら鶏肉と塩を加えます。
全体を混ぜ合わせたら中火にしてフタをし、3分程度蒸し焼きにして鶏肉表面に火を入れます。
鶏肉が汗をかいたらフタを取り、水を加えて強火で再沸騰まで。沸騰後クツクツ程度の弱火にして10分煮込む。
ここでは鶏肉に十分火が入るまで火入れしておきます。この後ほうれん草を入れる工程では温める程度なんで、ここで鶏肉にキッチリ火入れをしましょう。
ちなみにこれ、この段階で食っても結構美味いです。普通のチキンカレーだったら出来上がりですもんね。でも美味いからってバカバカ食ったらダメよ。味見はほどほどで。
ってな事でチキンカレー的なものが出来たら②で作っておいたほうれん草のペーストを入れます。
全体を混ぜながら火入れするのですが、ほうれん草は香りが飛びやすいので沸騰手前くらいで火は止めましょう。温まったら器に盛り、④で作った細長くカットしたショウガを散らして完成です。
サグカレーというか青菜全体に言える事ですが、時間が経つと色が変わりやすいというデメリットがあります。かといって保存料なんかを入れる気にもならないので、気持ち的に早めに食べきるようにしましょう。
まあただ色が変わったからって食べられないって事は無いんです。人によっては色が変わった位がなじんで美味しくなるなんて人もいますしね。
■まとめ代わりにもうちょいレシピ
ふう~今回はなんか長かったな。そんだけ一生懸命お伝えしたって事でお許しを。
ってな事でここまで長い事読んで頂いた方に感謝の意を込めもう少しだけアレンジを。
今回お伝えしたレシピは、実は私が昔作っていたレシピからかなり改良しております。
昔はどんなレシピだったかの紹介です。
違いはと言いますと、まずは鶏ガラでスープを取っていました。丸鶏のガラに香味野菜と塩でゆでるだけです。サグをミキサーで回す時と水を200入れる時に使っていました。
それと、玉ねぎを1玉みじん切りにしてテンパリングの後に加えていました。トマトの前ですね。要は完全にチキンカレーを作っていたって事ですね。
そして最後にサグが温まったらバターを20g入れていました。
なんで今のレシピに変更をしたのか?と言いますと。
私現在では南インド料理を作る事が多くて、昔のレシピだとちょっと重く感じたという事もあります。
それともう一つ。最近では皆さんスパイスの香りにも慣れてきてよりスパイスの香りが楽しめるように改良したという事もあります。昔は味のコッテリしたものが好まれていましたからね~。
まあ昔のコッテリが好きな方は上の物を足してアレンジしてみても良いかもですね~。
ではではまたお会いしましょう~。
■今回使ったスパイス
皆様の健康のためご家庭にもっともっとスパイスを
チャクラ 小川
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