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ヴィーガン対応ってメンドクサそう?飲食店からみたメリットデメリット 一人研究会

はいどうも、カリーチャクラです!
今回のテーマは飲食店におけるヴィーガン対応のメリットデメリットについてです。

私は現在、南インド料理ミールスの専門店をやっております。
インドには菜食主義者が多いという事もあり、数年前から当たり前のようにベジタリアンやヴィーガンの対応をして来ました。

そんな私が飲食店仲間から感じる事。
「ヴィーガンって最近注目されて来ているから取り入れてはみたいんだけど、なんだか特殊な人が多そうで大変なんじゃないの?」っていう不安。

うん。そうね。そんなイメージが昔は確かにありました。
ま~、事実は事実ですから正直言いますが、ちょっと前は私も嫌な思いをした事も有りましたよ。

今回はそんなヴィーガンについて、私が実際にあった嫌な経験をちょっとだけふまえつつ、飲食店目線でのヴィーガン対応のメリットデメリットをお伝え出来たらなと思います。

ついでと言ってはなんですが。
私自身はヴィーガンではないのですが、まあまあの量のヴィーガン料理を作っては食べてきたので、ヴィーガン消費者目線からのメリットデメリットも少しお伝え出来たら良いなと思います。

飲食店をやっていて(これから始める方も)、ヴィーガンメニューを取り入れたらどんな事が起こるのか知りたいって方は読み進めて頂ければと思います。

 

このサイトでは、飲食店をやってみたいという方を応援しています。

飲食店の立ち上げ方がよく分からん~っていう方や、まだ始めたばかりなんだけど何から手を付ければいいの?という方にはお店の立ち上げや経営方法について。

実際店をやってはいるけど、どんな料理を提供すればいいか分からん~?って方にはうちの店のガチレシピを。これホントに実店舗(福岡のチャクラって店)で提供しているレシピです。

うちの店の料理でいいよ~って方はどうぞ丸パクリしちゃって下さい。まあスパイス料理限定にはなっちゃいますが~。

脱サラ?リストラ?夢追いニート?なんでもいいからやる事なかったら取りあえず真似して店でもやってみてん?飲食業も結構楽しいよ~。まあ失敗して借金作っても私は責任取れんけどさ~。

そんなこんなをお伝えするのはいつもの私。仕事に疲れてサラリーマン退職から30代に飲食店での独立、現在南インド料理を作る現役料理人chakra店主のヒロシです。それでは始めましょう~ Let’s Spice!



■まずはそもそもヴィーガンって何?という話

ヴィーガン?なんじゃそれ?って方もおられるかと思いますので、
メリットデメリットをお伝えする前に、ざっくりとだけヴィーガンの説明。

ヴィーガンってのはベジタリアンの一種であり、肉や魚介を食べないのに加え、卵や牛乳などの動物が介在した食材も食べない完全菜食主義者の事です。

上記はかな~り簡素にまとめたので、ちょっと説明が足りない部分も有ります。
もっと詳しく知りたいよ~という方は、以前【ヴィーガンって何?波が来たんでちょっとまとめてみよう】というテーマで詳しくまとめていますので、そちらも参考にされてみて下さい。

 

■ヴィーガンってひとくくりにされているけど人によって様々な理由がある

ヴィーガンの方は食べられない(食べない)物があるという事を理解して頂けたところで、じゃあなんでそれらを食べないの?という話を少ししていきますね。

ヴィーガンってのは大きな言葉でひとくくりにされていますが、ヴィーガンに取り組んでいる人には、それぞれいろいろな理由があるんですね。

本来はもっと細かい理由に分かれるかと思うのですが、思いつくままザックリ分類すると以下のようになります。

・宗教上の理由
・健康上の理由(アレルギー等)
・健康上の理由(菜食主義が身体に合う)
・動物愛護や環境問題への取り組みとして

【宗教上の理由】や【健康上の理由(アレルギー等)】って言うのは似ているかな。
私らは教祖様や医者に食べちゃダメって言われたんでしょうがなくない?って感じ。

俺は死ぬまで牛乳なんか飲まないぜ!それは死んだ爺さんの唯一の遺言だからだ!
なんてのもある意味宗教なので、ここに含まれちゃいますね。

【健康上の理由(菜食主義が身体に合う)】って方は割と緩く挑戦している方が多い印象。
メニューに有ったら頼むけど、無ければ別に肉食べてもいいじゃん~って方。
厳格にヴィーガン食以外食べないって方はもちろんおられますが、そうなってくると宗教上の理由に近くなってくるかな。

【動物愛護や環境問題への取り組み】が理由って方は、意識の違いで大きく分かれてきます。
ヴィーガンという活動を、自分の出来る範囲でやれば、少しは貢献できるかな?ってタイプと、絶対正義のもと活動を他人に強制するタイプ。

強制するタイプは、自分が信じている事を他人にも理解してもらいたいという信念を持って他人に強制するので、私のように好きなもん好きなだけ食うぜ~って人とはぶつかりますね。

 

■ヴィーガンのメリットデメリット

さて、ザックリとヴィーガンの事が分かったところで、今回のテーマであるメリットデメリットの話に入っていきます。

当店は南インド料理であるミールスを扱っており、その中で、ベジタリアンやヴィーガンの対応をして来ました。
対応を始めて約10年位(2024年現在)になるのですが、10年扱ってきた中での飲食店の目線から見たメリットデメリットのお話。

ついでと言っちゃ~なんですが、私はヴィーガンではないのですが、作るという作業は数年にわたりやってきました。それに伴いもちろん食べても来たので、個人消費者の目線からみたメリットデメリットの話も出来たらなと思います。

飲食店としてのメリット

まずは、飲食店から見たメリットの話ですね。

一番大きいのはやっぱり喜んでもらえる事ですね。

私が飲食店をやっている福岡では、というか日本単位でもそうかもしれませんが、ヴィーガンやベジタリアンへの認知や対応が世界よりも格段に遅れているという印象です。
海外からの旅行客や国内のヴィーガン食の方は、常にお店を探しているという状況があります。

そんな中で、ヴィーガン対応ってだけで喜んでもらえるのはちょっと得した気分になれます。

美味いか不味いかなんてもはや関係なく、やっているだけで勝ちみたいな。
これは飲食店としてはかなり大きなメリットですよね。

だからと言ってアグラかいて不味いもの出すのも嫌じゃないですか。提供するからにはいろいろ試作して美味しい物を目指しますよね。
それがお口に合えばさらに喜んでもらえるので、なんかもうホントにありがとう~みたいに言われたりします。
私は偽善者なので感謝されるのは好き。

2つ目は特別感というのですかね。
これは以前2023年に福岡で世界水泳が行われた際の話なのですが、世界からいろいろな方が来られるという事で、福岡でも急遽ヴィーガンやハラールに対応できるお店のピックアップを始めました。
対応できる店が少なかったからでしょうか?
市の協力の元で、ヴィーガン新メニューの開発をしましょう~なんて話までもうちの店にはありました。
ちょっと名の知れたシェフから直接料理の御指南を頂けたのは良い経験になりましたね。

3つ目はちょっといやらしい話。
ヴィーガンの方の飲食店に対する選択肢が少ないという話は先ほどしたのですが、それはつまり、ライバルが少ないという事になります。
ライバルが少ないという事は、自然とうちを選んでくれる方も多くなり、それが売り上げにもつながるという事ですね。
先ほど、ヴィーガン対応して喜んでもらえるのが一番嬉しい~なんて事言いましたが、正直これが一番のメリットかもね。飲食店やっている以上それが本音。はい。偽善者確定。

あとこれはオマケですが。
ヴィーガン対応をしていると、外国人が来るので本場感が出て、しかも英語の勉強にもなる。

これまでヴィーガンやベジタリアンを提供してきての印象としては、日本人も増えては来たのですが、やはりまだまだ外国人の方が多いという印象です。

外国人にヴィーガンが多いとなると、外国人旅行客や在日の方もヴィーガンが多いとなり、日本国内でヴィーガン対応している店を探しているのも、自然と外国人が多くなります。
結果。お客様に外国人が増えてきて、インド人なんかに来店頂いちゃったりすると、他の日本人のお客様の目には、ここは現地の人に認められている店だ!なんて勝手に映っちゃったりしてさ。
「この店はインド人客が多いですね~凄いな~」なんて言われたりする。
顔には出さないが、心の中はガッツポーズよ。

しかもね。私、現在英会話を勉強しておりまして、無料で授業受けている感覚になれますね。
せっかくのチャンスなんで、外国のお客様には積極的に英語で話しかけるようにしちゃっています。

だって、本来の英会話教室なら、お金払って外国人とお話するやんね。
それが、逆にお金もらって(ミールス提供して)リアル英会話の勉強出来るなんて最高やん~ってね。

外国の方に多く来てもらいたいって方には、下の記事を参考にサイトに登録してみて~。

 

飲食店から見たデメリット

まあでも世の中そんないい事ばかりではないので、ついでデメリットの話。

一番のデメリットは嫌な思いをする事があるって事。
次の章で実例あげつつ詳しく説明しますのでここでは簡潔に済ませますね。私はごくごく一部の方に絡まれた事があります。

これは、ヴィーガンの中にも色々あって、人によって認識の違いが有るよという事が原因です。
対策も含めて次の章で詳しく書きますのでそちらも参照下さい。

上の事が一番のデメリットだとは思いますが、あと3つほど挙げるとすれば。

1つ目は説明がちょっとメンドクサイ。
これはヴィーガンの方は問題ないのですが、ヴィーガンを知らないって方の話。
ヴィーガンをメニューに載せていると、ヴィーガンって何ですか?って質問が多数来ます。マジで嫌になるほどきます。

勘違い例で言うと。
ヴィーガンって言う名の食材があって、「ヴィーガンに興味あったの、どれがヴィーガン?」なんて聞かれたり、「ヴィーガンってどこの国の郷土料理?調理法が違うの?」なんて聞かれたりね。

バタバタしている時にこれを繰り返されると、メニューの下にちゃんと説明文のせているんだから、読んでから聞いてくれよ~とは思いますね。

受け答えも飲食店の仕事だろ!ってご意見その通りでしょうが、私らだって忙しい時は忙しいのよ。ごめんよ。

そして2つめは、仕込みが多くて気を遣うって事。

うちはベジタリアン料理も提供しているのですが、加えてヴィーガン対応の料理を提供するとなると、私の単細胞頭は悲鳴をあげます。
これはヴィーガン用だから、ヨーグルトやギーを使わないヴァージョンでの仕込みでしょ?みたいな事やっていると、仕込みの数がめちゃめちゃ増えるしさ。
あげく沢山仕込み過ぎて、どれがヴィーガン用だったっけ?って訳わかんなくなっちゃったりするんです。
間違ったらいかんよな~って、仕込んだ鍋やタッパに【ヴィーガン対応】って付箋張ったりするんだけど、冷蔵庫の中って風が吹いてんのよ。付箋が飛んでどっか行ったりしたらもうパニックよ。

最後の3つめは原価が意外と高い。

これは勘違いされる事がホントに多いのですが、肉使ってないんだから、売価も安いんじゃないの?って思われがちです。
実際にヴィーガンで自炊されている方は分かっているからいいんですけど、飲食店に来店する非ヴィーガンの方は肉無しは安いという印象を持たれている方が多いです。

そりゃ~A5ランクの肉なんかに比べたら安いかもしれませんが、その辺の鶏肉なんかと比べると野菜の方が仕入れは価格は高い印象です。
にもかかわらず、いざ提供すると、肉入ってないのにこの値段?って怪訝な顔をされる事が多い。

う~ん。でもこればっかりはしょうがないかな~。
じゃあお肉入りのやつをどうぞ~ってなります。

個人としてのメリットデメリット

では続きまして、個人目線でのメリットデメリット。

まず大前提として、私はヴィーガンを扱う飲食店を経営しているだけで、ヴィーガンって訳ではございませんのでご了承を。私、カップメンやマック大好きなんで、参考程度に聞いて頂けたらと思います。

まずはメリット。
ヴィーガンやベジタリアン食をした後は身体が軽いと感じます。胃がスッキリしていて、頭の回転も良くなるような気がします。
別に頭が良くなる訳じゃ~ないんだけど、胃も頭もスッキリして、その後のパフォーマンスは上がる気がします。

ランチなでヴィーガン食をするのはおすすめです。
午後からの仕事でよく眠くなる~って方は一度試されてみても良いかと思います。
まあもっとも、食べ過ぎたら一緒の事になるとは思いますので、何事も適量が大事。

ついでデメリット。

対応している店が圧倒的に少ない。
一部対応しているお店も有ったりするのですが、ベジタリアンやヴィーガンをしっかり食べさせる店は少ない気がします。

有ったとしても、綺麗なお花を散りばめた10種の野菜ヴィーガンサラダ。ハーブティーと共に。みたいなさ~。
こんなもんセレブ女子しか食わんやろっての。
セレブ女子だって、家帰ってから小腹空いて、ちょっと雑炊とか食うとるやろ。きっと。

まあこの辺は特殊としても、対応している店が少ないのは事実。
じゃあどうやって見つけりゃいいの?みたいな話は別の記事にまとめております。

 

 

上のような店で腹が減るのはしょうがないにしても、普通に食しても、ノンベジタリアンに比べて、ベジタリアンやヴィーガン食の腹持ちは悪い気がします。
お昼にココイチで大盛とか食べたら、もう夜ご飯要らんかな~ってなるけど、ヴィーガンは大盛で食べても、夜までには腹がグーグー言っている。

いわゆる腹持ちが悪いってデメリットなんですけど、ランチ後に眠くならないってメリットと表裏一体なので、どっちが良いのか?って話になりますね。

 

■飲食店がヴィーガンに取り組まない理由ってこういう所もあるんじゃない?

さて。
ここからは、私が実際に有ったヴィーガンの方とのやり取りをお話します。
ヴィーガン食をされている方にとっては悪口になるかもしれないので、不快な方は飛ばしちゃって下さい。

でも、これは飲食店の方が少なからず持っているリスクについてのお話なので、包み隠さず書こうと思います。
正直に書く事で、ヴィーガン提供へのハードルを下げるのが目的です。

もう数年前の話なのですが。
ヴィーガンの対応出来ますか?って電話での問い合わせがありました。
その当時はまだヴィーガン知名度がかなり低かったので、あら、福岡にもヴィーガンの方がいるのね~と思いつつ、可能ですとお答えしました。

すると、
やはりこちらのお店はHPで拝見する限り、無化調だし素敵な店だと思っていました~ってひとしきり褒めちぎられました。
それはそれで嬉しかったので、同意できるところは同意しつつ、なんでヴィーガンってこんなに知名度が低いんですかね~みたいな軽い会話をしていました。
すると、こちらの店とは意見が合いますね。食材は何を使っていますか?野菜はもちろん無農薬でしょ?米も当然無農薬で育てていますよね?とまくしたてられまして。

いや、うちは農家ではないので、野菜や米は購入しています。野菜は出来るだけ無農薬を選んでいますが、米は外国産なので、無農薬かどうかまでは不明です。とお答えした所。

いきなり態度が豹変。

そんな軽はずみな気持ちでヴィーガンやっていたんですか!今すぐヴィーガン公言を辞めるべきだ!みたいなね。
いやいや、ヴィーガンと無農薬は違うから。という言葉をぐっと飲みこんでなんとか電話を切りましたが、後からイライラして来て、これはちょっとどうなん?って。

これはあくまで昔の話で、ヴィーガンという言葉がまだまだ知られていない頃。
恐らくですが、ヴィーガンで無農薬主義の方が近くにおられて、ヴィーガンと無農薬を一緒に語っていたのを、ヴィーガン=無農薬と思ってしまったんだろうな~と。

後は、ヴィーガン扱っている=動物愛護と勘違いされる事も有ります。
私は雑食です。肉も魚も食べるのよ~って言うと、もの凄くさげすんだ目で見られたりね。

ヴィーガン食って言うのは、上でも説明した通り、何を食べるか食べないかのくくりの話であって、動物愛護ではないですからね。

まあでも実際このような事があったのも数年前の事。
こんな事を言っていた人達も、その後正しい知識をつけて来たのか、最近ではこんな事を言われる事が無くなりました。
現在では、ヴィーガン食をする方も、ヴィーガン対応してくれてありがとう~みたいな印象の方ばかりです。

でもね、正しい知識をつけた上で、動物愛護を強要する方は実際いるので、当たる可能性は有ります。

これらの対策としては、自店でのヴィーガン対応は○○です。これ以外の対応は出来ません!
例)当店は乳製品、はちみつ、精製された砂糖は使用していませんが、調理器具に一部皮製品が含まれています。みたいなね。
トラブルを避けるためにも、これらを明確にしておいた方が良いでしょう。断る勇気も大事。

ちょっと耳が痛い私の経験した例を、敢えて書かせて頂きました。
もっともっとヴィーガンという考えが広まって、正しい知識で一般化すれば良いなと思います。

 

■まとめ

今回は、ヴィーガンへの取り組みをする際の、飲食店目線からメリットデメリットの話をして来ました。

ちょっと耳の痛いデメリットの話も、私が実際に感じている事を包み隠さず書いたつもりです。
最近ではこのようなケースが減っては来ていますが、一部の狂信的な方がおられるのも事実は事実なので、リスクがゼロとは言えません。
自店の立ち位置は明確に説明できるようにしておいた方が無難だと思います。

ただ、その辺さえクリアしてしまえば後はメリットが多いと感じています。

個人的に聞かれたらやった方がいいよと答えますし、何より限られた原材料の中で、料理に工夫をするという勉強にもなります。
私はヴィーガン対応をするようになってから、野菜の調理レパートリーも増えました。
そして、野菜ってホントに美味しいんだな~って感じる事が出来るようになりました。
ヴィーガン対応していて良かったなと思います。

この記事が飲食店でヴィーガン検討をされている方の参考になれれば嬉しいです。

 

 

 

皆様の健康のためご家庭にもっともっとスパイスを

チャクラ 小川

 

 

 

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